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  • iOS 26の初期コードが流出 次期AirTag 2やAIヘルス機能などAppleの革新的な未来像を暴露

    未発表のiOS 26プロトタイプから次期AirTag 2、AIを駆使したサブスク「Health+」、強化されたSiriなど、2026年に登場予定の革新的な新機能や製品の存在が多数判明した。 米Appleが開発中の次期iOS 26を搭載したプロトタイプ端末から、ソフトウェアコードが流出し、 まだ公表されていない多数の機能 に関する手掛かりが明らかになった。リークされた内部コードからは、新機能だけでなく 未発表デバイスのヒント も見つかっており、今後のApple製品戦略への関心が高まっている。 大量の新機能フラグが浮上 リークされたiOS 26の初期ビルドコードには、多数の機能フラグが含まれていた。この内部コードはAppleのプロトタイプiPhoneから取得されたもので、将来のiOSアップデートに関係すると思われるさまざまな要素が確認されている。 記事によれば、これらのフラグは「機能名」とその内部的な説明だけが載せられており、実際の実装詳細については不明なものも多い。解析チームは、名前から推測できる内容を手掛かりに機能の概要をまとめている。 新機能 Health+  — AI活用と思われる新健康関連サービス(サブスクリプション形式の可能性)。 Live Captions (ライブキャプション) — より多くの言語対応を示すコード。 AutoFillUI  — サードパーティアプリでもクレジットカードの自動入力機能拡張に関連するフラグ。 Siri 強化  — スマートSiriに関する複数の内部コード参照(IntelligenceFlow、PlanOverrides など)。 Freeform フォルダ機能  — Freeformアプリでフォルダ作成ができるようになる可能性。 Journal アプリのフォローアップ機能  — 日々の記録アプリで追加機能が計画中。 Wallet 更新通知機能  — Apple Wallet の支払い通知関連のフラグあり。 MacRumors Photos Connections / Shared Collections  — 写真アプリの共有コレクション関連機能。 その他ソフト機能 CallKit の Push-to-Talk オプション。 ポッドキャストアプリの翻訳・字幕関連機能。 アクセシビリティ関連の強化(ライブキャプション全対応、Background Sounds V2 など)。 ソフトとハード両面で新展開の予兆 内部コードにはソフトウェア関連だけでなく、未発表デバイスに関連するコードも含まれていた。リークコードからは、 新型AirTag や AirPods向けの拡張機能 、さらには 家庭向けアクセサリー らしき参照も発見されている。 具体的には「AirTag 2」を思わせるリファレンスや、「Precise outdoor location understanding(精密な屋外位置検出)」といったAirPods向けの新技術に関するフラグがあったとのことだ。これらは2025〜2026年にかけて登場する可能性があると分析されている。 プロダクト 未知のホームアクセサリ (コード名 J229) — ホームハブ関連のアクセサリと推定される機器(カメラ等の可能性あり)。 AirTag 2  — 次世代AirTagに関するコードが確認(Bluetooth改善、低バッテリー状態改善、位置情報精度向上など)。 AirPods 関連  — AirPods向け複数の機能が示唆(文脈リマインダー、会話ブレイクスルーVQA、Visual Lookupなど)。 Vision Pro (推定) — Vision Pro向けの強化と思われる空間オーディオ関連機能のフラグあり。 Apple IntelligenceやAI関連の強化も示唆 コードの中にはAI関連の手掛かりも見つかっており、例えば Health や Visual Lookup のような新しい機能につながるコンポーネントが含まれていたという。一部の機能名からは、高度なコンテキスト解析やAI支援によるユーザー体験の向上が期待できる AppleはiOS 26で AI機能を強化 する方針を以前から示しており、新たなリークはその方向性と一致するものと見られている。これまでの公式発表では、 Apple Intelligenceに関連した改善点 が予告されている。 ソフトウェア内部コードが示した長期戦略 今回の流出は、単なる「機能一覧」のリーク以上の意味を持つ。ソフトウェア内部コードという開発初期段階の情報が表に出ることで、Appleの長期的な戦略や優先度が見えてくるからだ。特にAIやヘルスケア、位置情報といった領域への注力がコードレベルで確認されたことは、Appleが単なるUIの刷新以上の体験価値を目指していることを示唆している。 また、新デバイスや拡張機能のヒントが混在している点も興味深い。Appleは近年、エコシステム強化の一環としてソフト・ハード統合を進めており、今回のリークはその戦略を裏付けるものとも言えるだろう。今後公式発表を待つだけでなく、こうしたリーク情報をヒントにApple製品の未来像を読む視点が重要になってきそうだ。 (Source: MacRumors ) TREND 「折りたたみ式 iPhone」の最新トレンド 「iPhone 18」の最新トレンド 「iPhone 17」の最新トレンド 「iPhone 16」の最新トレンド 「iPhone Air」の最新トレンド 「iPhone SE」の最新トレンド 「iPad Pro」の最新トレンド 「iPad」の最新トレンド 「iPad Air」の最新トレンド 「iPad mini」の最新トレンド 「Mac Pro」の最新トレンド 「Mac Studio」の最新トレンド 「Mac mini」の最新トレンド 「iMac」の最新トレンド 「MacBook Pro」の最新トレンド 「MacBook Air」の最新トレンド 「Apple Watch Ultra」の最新トレンド 「Apple Watch」の最新トレンド 「Apple Watch SE」の最新トレンド 「AirPods」の最新トレンド TAGs

  • AIが加速させるスマホ・PC「値上げの時代」到来

    半導体メモリの価格高騰が止まらず、製造コストの上昇が2026年以降、スマートフォンやPCなどの一般消費者向けデバイスの価格に波及する見通しだ。 現在、パソコンの自作パーツ市場では、DRAM(実行メモリ)やNANDフラッシュ(ストレージ)の価格が急激に上昇しており、一部では半年で価格が 2倍以上 になったケースも報告されている。この部品レベルでのコスト増は、いよいよ完成品であるスマートフォンやノートPCに転嫁されつつある。専門家の多くは、この価格高騰は一過性のものではなく、少なくとも2026年第1四半期まで続くと 予測 している。デジタルライフに不可欠なデバイスが、今後「値上げ」を前提としたものになる可能性が高まっている。 参考)TrendForce. " Memory Price Surge to Persist in 1Q26; Smartphone and Notebook Brands Begin Raising Prices and Downgrading Specs. " メモリ争奪戦の元凶:「HBM」とAIブーム メモリ価格高騰の最大の要因は、世界的な AI(人工知能)開発ブーム である。特に、AIのトレーニングや推論に不可欠なデータセンター建設が世界各地で加速している。 このデータセンターで大量に必要とされているのが、従来のDRAMより高速なHBM(高帯域幅メモリ)だ。HBMは製造が難しく、高い利益率が見込めるため、主要なメモリメーカーは次々と一般向けDRAMやNANDフラッシュの生産ラインをHBM向けに振り替えている。 その結果、パソコンやスマートフォン向けの一般メモリの 供給が大幅に不足 し、価格が 急騰 している。この現象はまさに「AIによるメモリ争奪戦」であり、高利益率のAI市場が、一般消費者市場の部品調達コストを押し上げている構造だ。 ここ3ヶ月で4倍近い価格に 参考)価格.com " CT16G56C46U5 [DDR5 PC5-44800 16GB] 価格比較 " スマートフォンへのコスト波及メカニズム スマートフォンには、アプリの実行に使われる DRAM(LPDDR)と、 写真やデータを保存する NANDフラッシュ(内蔵ストレージ) という、二種類の高騰しているメモリ部品が不可欠である。 メモリ価格の上昇は、スマートフォンの 製造コストを直接的に押し上げる 要因となる。特に、薄利多売の戦略を取る中・低価格帯のAndroidスマートフォンメーカーほど、このコスト増を吸収しきれず、値上げに踏み切る公算が大きい。 さらに懸念されるのが、価格高騰を避けるための「スペックダウン」だ。特にエントリーモデルでは、コスト吸収のために、DRAM容量が8GBから 4GBや6GBに引き下げられたり 、ストレージ容量の最小構成が増やせないといった「逆戻り現象」が発生する可能性がある。 2027年には回復する見込み 今回のメモリ高騰は、 過去の半導体市場の周期的な需給バランスの崩れとは異なり、AIという巨大な構造変化によって引き起こされている 。この構造変化が続く限り、一般向けメモリ市場の逼迫は容易に解消されないだろう。 市場調査会社や金融機関の分析によると、AI向けHBM(高帯域幅メモリ)生産の優先による汎用メモリの供給不足は、メーカーの新たな大規模生産ラインが稼働し始める 2027年以降 まで続くと予測されている。つまり、私たちはデバイスの「高性能化は価格上昇とセットになる」という新たな時代に直面しており、この傾向は今後少なくとも 2年間は継続する 見込みだ。

  • Google、調査特化型AI「Gemini Deep Research」をAPI公開

    image : Google 複数ステップ検索に対応、Google検索やVertex AIにも展開へ  米Googleは現地時間12月11日、複雑な情報調査を自律的に行うAIエージェント「Gemini Deep Research」を、開発者向けにAPIとして提供開始した。Gemini APIの一機能として利用でき、検索や情報整理を含むリサーチ工程全体をAIに任せられる。 複数ステップで調査を進めるAIエージェント  Gemini Deep Researchは、調査計画の立案、情報検索、内容の整理を段階的に実行する設計となっている。単発の回答生成ではなく、調査を重ねながら情報を深掘りし、根拠を整理したレポートを生成する点が特徴だ。推論の中核には Gemini 3 Proが採用されている。 ベンチマーク結果が示す性能  Googleが公開したベンチマークでは、多段階の情報探索能力を測る「DeepSearchQA」で66.1%を記録し、競合モデルを上回る結果となった。また、高難度の知識・推論テストでも46.4%を達成しており、複雑な調査タスクへの強さが示されている。 image : Google   Google主要サービスやVertex AIへ展開  今後、Gemini Deep ResearchはGoogle検索、NotebookLM、Google Finance、Geminiアプリ内でも順次アップグレードされる予定だ。さらに、エンタープライズ向けにはGoogle Cloudの「Vertex AI」への導入も進められており、企業が自社データを活用した高度なリサーチ環境を構築できるようになる。 調査業務を担うAIが実用段階へ  Gemini Deep Researchの展開は、AIが単なる回答生成を超え、調査や分析そのものを担う段階に入ったことを示している。GoogleはAIをリサーチ業務の中核に据え、開発者から企業まで幅広い活用を狙う構えだ。 参照サイト Google The Keyword Build with Gemini Deep Research https://blog.google/technology/developers/deep-research-agent-gemini-api/ TAGs

  • PayPay銀行、利息を現金かポイントで選択できる業界初サービス開始

    image : PayPay銀行 ステップアップ円預金やドル&円2%預金にも対応、ポイント付与も充実  PayPay銀行とPayPayは、円普通預金の利息を「現金」か「PayPayポイント」か自由に選べる業界初の仕組み(特許出願中)を導入した。ポイントを選ぶと、通常の利息より0.1ポイント高い最大年0.5%(税引後約0.39%)で付与され、さらに「ドル&円2%預金」残高については利息と同じ年2%分のポイントが受け取れる。受け取り方法はアプリ上で月ごとに切り替え可能で、資産形成のスタイルに合わせた柔軟な利用ができる。  PayPayポイントは有効期限がなく、決済や投資、Yahoo!ショッピングなどのサービスで活用できる。今回のアップデートでは、アプリ内で設定状況や残高に応じた適用条件、次の金利ステージに必要な金額などを確認できるようになった。  スケジュールは2025年9月1日から設定可能となり、ポイント受け取りは10月1日から開始。通常分は翌月1日、特別金利分は同月中旬に付与される。「ステップアップ円預金」は残高1,000万円まで特別金利が適用され、それ以上は通常利率になる。「ドル&円2%預金」は重複適用されない。  利息をどう受け取るかを自分で選べる業界初の仕組みは、生活スタイルに寄り添う新しい銀行のかたちを示している。 参照サイト PayPay銀行株式会社 PayPay株式会社 プレスリリース 業界初! 「利息」または「PayPayポイント」の受け取りが選べる新機能(特許出願中)を提供開始 https://www.paypay-bank.co.jp/company/press/2025/0902.html TAGs

  • Xiaomi、超大容量バッテリー搭載スマホ「REDMI 15 5G」、12月19日発売へ

    image: Xiaomi 7,000mAhバッテリーや144Hzディスプレイ搭載の新スマホが登場。日本発売は12月19日。 スマートフォンのバッテリー持続時間に不満を抱える人に朗報だ。Xiaomiの日本法人シャオミ・ジャパンは、大容量7,000mAhバッテリーを搭載した新モデルREDMI 15 5Gを、2025年12月19日(金)から国内で発売すると発表した。 バッテリー “ヒーロー” の実力 圧倒的な持続時間と長寿命 REDMI 15 5Gは7,000mAhという大容量バッテリーを搭載。動画再生は最大約25時間、音楽再生で最大約108時間、電子書籍の読書は最大約30時間まで可能という。さらに、充電サイクル1,000回後もバッテリー容量の80%以上を維持できる点も特徴で、長期間使用しても安心感が高い。 image: Xiaomi 急速充電とリバース充電で“予備バッテリー”に 33W急速充電に対応しており、容量の大きなバッテリーでも効率よく充電が可能。さらに、18Wリバース充電機能を備えており、別のスマホやイヤホンなどへの充電が可能だ。つまり「スマホ自体をモバイルバッテリーのように使える」設計となっている。 image: Xiaomi ディスプレイ・性能・カメラなど、基本仕様も充実 大画面と高リフレッシュレートで快適表示 6.9インチのFHD+ディスプレイを搭載し、最大144Hzのリフレッシュレートに対応。滑らかなスクロールや残像の少ない映像で、動画やゲーム、日常の操作が快適だ。 Snapdragon 6s Gen 3 & メモリ拡張で快適速度 CPUにSnapdragon 6s Gen 3 5G プロセッサを採用し、さらにメモリ8GBモデルでは最大16GB相当への拡張も可能。日常的な操作からアプリの多重使用まで、パフォーマンスに余裕を持たせている。 カメラ・AI機能・おサイフケータイ対応など多機能 50メガピクセルのAIデュアルカメラ、暗所撮影に強いナイトモード、被写界深度や美肌調整などのAIビューティーモードを備え、写真撮影でも日常〜クリエイティブ用途まで対応。さらに、日本での利用に必須な「おサイフケータイ®(Felica)」にも対応している。 image: Xiaomi 価格・発売日・販売チャネル、購入キャンペーン 発売日:2025年12月19日(金) 価格:8GB / 256GB モデルが 36,980円(税込)、4GB / 128GB モデルが 31,980円(税込)を想定。 カラー:リップルグリーン/ミッドナイトブラック/チタングレーの3色。 販売チャネル:キャリア(MNO/MVNO)、家電量販店、オンラインショップ、公式ストアなど広く展開。 発売記念キャンペーンとして、購入者を対象に抽選でスマートウォッチやバックパック、割引クーポンなどが当たるプレゼントも実施される。 バッテリー重視派にとって魅力的な“実力派スマホ” REDMI 15 5Gは、近年スマホでネックになりがちなバッテリー持ちを重視する人にとって非常に現実的な選択肢だ。特に、モバイルバッテリーを持ち歩きたくない人や、外出先での長時間利用が多い人にとって、「1回の充電で丸一日以上使える」「必要なら他デバイスへの給電も可能」というのは大きな強み。 加えて、価格が3〜4万円台と手頃でありながら、144Hzディスプレイや大容量メモリ拡張、Felica対応など“実用性/快適性”をしっかり押さえており、「バッテリー重視 × コスパ重視」という二重の価値を求める人にうってつけだ。 今後、利便性が重視されるスマホ市場において、「REDMI 15 5G」のような“バッテリー特化モデル”が改めて注目されるかもしれない。 スペック一覧 製品名  REDMI 15 5G サイズ  約 169.48 × 80.45 × 8.40mm 重量  約 217 g リアカメラ 5000 万画素メインカメラ 5P レンズ/ F 値 1.8/ 補助レンズ 動画撮影 1,080p(1,920×1,080)HD 動画撮影(30fps) 720p(1,280×720)HD 動画撮影(30fps) フロントカメラ 800 万画素カメラ F 値 2/ フィルムカメラモード | HDR モード | ソフトライトリング | ポート レートモード | タイムラプス 動画撮影 1,080p(1,920×1,080)HD 動画撮影(30fps) 720p(1,280×720)HD 動画撮影(30fps) ディスプレイ  6.9 インチ/FHD+(2,340 × 1,080) / リフレッシュレート最大 144Hz / ピーク輝度 700nits (標準値) 850 nits HBM バッテリー  7,000mAh(標準値) 急速充電  33W 急速充電 プロセッサ  Snapdragon® 6s Gen 3 モバイルプラットフォーム メモリ/ストレージ  8GB+256GB、4GB+128GB 防水・防塵  IP64 OS  Android™15 ベースの Xiaomi HyperOS 2 SIM  デュアル SIM(nanoSIM + eSIM) NFC/ Felica  〇 / 〇 ネットワークと接続性 5G:n1/3/5/7/8/20/28/38/40/41/66/77/78/71/2/12/26/48 4G:LTE FDD: B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/20/26/28/32/66/71 4G:LTE TDD:B38/40/41/42/48 3G:B1/2/4/5/8/6/19 2G:850/900/1,800/1,900MHz ※接続性とネットワーク帯域は、地域の接続状況と通信事業者のサポートによって異なる場合があります。 Wi-Fi:2.4GHz | 5GHz Bluetooth 5.1 生体認証  側面指紋認証センサー / AI 顔認証ロック解除 同梱品  SIM 取り出し用ピン(試供品)×1 / ソフトケース(試供品)×1 / 画面保護シート貼付済(試供品) / クィックスタートガイド TREND 「Xiaomi」の最新トレンド TAGs

  • 【インタビュー】大野コーポレートガバナンス部長に聞く、 PayPay銀行:PayPay連携で「空気のように身近な金融」を実現

    「空気のように身近に」がミッション。PayPay連携で銀行事業の成長を加速させ、UI/UXを武器にBS勝負という王道を貫く戦略を聞く。 INDEX 黎明期から「PayPay」ブランドへの進化:940万口座達成の衝撃 PayPayシナジーの核心:「摩擦」のないUI/UXの徹底 革新的なローン商品とブランド戦略の「振り切り」 B2Bと収益戦略:「BS勝負」を支える革新性 黎明期から「PayPay」ブランドへの進化:940万口座達成の衝撃 ーー 改めて、前身であるジャパンネット銀行創業の経緯と現在のPayPayグループ内の役割を教えてください。 大野: 当行は2000年に ジャパンネット銀行 として日本初のネット銀行を設立いたしました。その後、2021年4月に PayPay銀行 へと商号を変更しております。当時は、まだ直接的な資本関係はありませんでしたが、2024年4月にPayPay株式会社への株式譲渡が完了し、 名実ともに「PayPay」グループの一員 となりました。 ーー 貴社が掲げるミッションについて教えてください。 大野: ジャパンネット銀行時代から掲げているミッションとして、「金融サービスを空気のように身近に」するサービスの設計をしています。その流れで当行は、2021年4月に「PayPay」の名前を冠した商号変更を実施し、 PayPayのユーザーに対して、一番便利でお得な銀行 になる為の銀行サービスの提供を推進しています。 ーー 口座数が急伸しているようですが、具体的な数字を示してご説明いただけますか。 大野: 大きな成長を遂げています。ジャパンネット銀行の名称であった2021年3月までは、約500万口座数であったのに対し、PayPay銀行に商号変更後の伸び率は非常に高く、最新のデータ(2025年9月時点)では、 預金口座は940万口座 を突破しております。この成長は、まさに登録ユーザー数が7,100万人を超える(2025年9月時点)「PayPay」とのシナジーで伸びていると確信しています。 2025年4⽉ 預⾦⼝座900万⼝座突破(PayPay銀行株式会社プレスリリース) PayPayシナジーの核心:「摩擦」のないUI/UXの徹底 ーー その驚異的な成長を支えるPayPayとの連携施策について教えてください。 大野: PayPayとのシナジーとして、PayPay銀行のアプリ内にPayPayの「支払うボタン」を設置しており、 銀行残高から直接引き落とすデビットカードのような使い方 でPayPayの支払いを可能とする連携を実現しています。また、2022年から PayPay銀行のミニアプリをPayPayアプリ上に展開 しており、PayPayアプリ上で銀行取引ができるため、PayPay銀行アプリに戻る必要がないのも大きな施策の一つです。 ーー 口座開設の申し込みは、PayPay経由が増加していますか? 大野: はい。現在、当行の口座開設申し込みの 半分以上がPayPay経由 になっています。PayPayユーザーで、既にマイナンバー等で本人確認されている方がPayPay経由で申し込みしていただくと、銀行の本人確認のフローを省略することができる為、申し込みは 最短1分、口座開設も最短即日 で完了いたします。この「PayPayとの連携」と「開設するまでのスピード」こそが当行の競争優位性になっています。 ーー PayPayと親和性の高いUI/UXを重視されているということでしょうか? 大野: はい、他にもPayPay証券との連携による入出金の自動化や、PayPay画面での口座残高表示など、細かい点で、ユーザーの使いやすさを追求しています。 大きなポイントの還元という施策ではなく 、PayPayグループをご利用頂くお客様が、 サービス利用の途中で離脱してしまうような「摩擦」を極力なくす為 に、UI/UXの細かい部分を改善することをグループ単位で推進しています。 革新的なローン商品とブランド戦略の「振り切り」 ーー 国内銀行初というJPKI(マイナンバーによる本人確認)の取り扱い開始など、デジタル戦略の徹底はローン事業にも現れていますか? 大野: ローン事業はカードローン、ビジネスローン、住宅ローンがありますが、住宅ローンでは、2024年6月に銀行として初めて ペアローン連生団信 の提供を開始いたしました。 ーー ペアローン連生団信の詳細を教えてください。 大野: 従来のペアローンでは、一方の方が亡くなると、亡くなった側の残債のみがゼロになり、残された方の残債は残りました。しかし、当社が提供を開始したものは、もし一方の方が亡くなられた場合、 残された方の残債も完全にゼロとなる保険 です。これはメガバンクを含めても当社が初めてで、住宅価格が高騰する中で、働き手が失われた方のニーズに応えるものです。 参考: 銀行初! 6月1日よりペアローンの「連生団体信用生命保険」取扱開始 (編集部注:ローン事業の拡大)  同行のローン事業は順調に拡大しており、特に カードローン はデジタルバンクでトップクラスの残高を維持。また、 住宅ローン は業界最低水準の金利と先進的な保険特約を組み合わせ、成長ドライバーの一つとなっている。 ーー 従来の「ジャパンネット銀行」から「PayPay銀行」へと商号変更をし、ブランドをPayPayに振り切った狙いはどこにありますか? 大野: Yahoo!Japanとの連携もしてきましたが、楽天銀行やauじぶん銀行などが口座数を拡大されていく中で、当行もどのような連携により口座数を拡大するかを検討してきました。その結果として、多くの方が利用し、QRコード決済という日常の決済サービスがベースとなる PayPayとの連携が、当行としてよりシナジー効果が得やすかった との結論になりました。結果的にPayPayは携帯キャリアである「SoftBank」の契約者数を超える7,100万ユーザーを獲得しています。特定の携帯キャリアの経済圏に絞るのではなく、当行は、 日本全国すべての利用者を意識 しています。 成長ドライバーの一つとなっている同行のローンサービス(PayPay銀行株式会社 事業概要) B2Bと収益戦略:「BS勝負」を支える革新性 ーー 法人向けの信用保証協会付きローン(通称:マルホ融資)をオンラインで完結できるようにされたのは画期的です。なぜ実現できたのでしょうか? 大野: きっかけは コロナ禍 です。マルホ融資を申請する場合、申請をする金融機関に直接出向くことが前提であり、当行のようなデジタルバンクが抱える課題でした。一方で、信用保証協会も「ゼロゼロ融資」が始まり、窓口は膨大な申請量と対面での手続き、また紙の書類でパンク状態になったと聞いています。しかしながら、コロナ禍になり、世の中的にオンラインミーティングが浸透した事、法人領域におけるDXの機運が一気に高まり、信用保証協会に、当行そして忙しい経営者の要望でもあった 「ネットからの申請」 を理解していただいた事が、実現に至った背景と認識しています。これは、 デジタルバンクとして日本初 の取り組みであり、お客様のニーズに真摯に向き合った結果です。当行のこのサービスであれば、オンラインで申請が完結できるため、資金需要で日々忙しいPayPayの既存の加盟店など、 法人向け口座のステージが変わる だろうと考えています。 ーー 収益構造はどのようなイメージですか? 大野: 我々は 「BS(バランスシート)の大きさ勝負」 という王道の戦い方を考えています。金利のある世界なので、オーソドックスに預金を集めてそれを貸し出し、運用に回していく。サービスのUI/UXを磨き込み、 「使いやすいからずっと使おう」 と自然にお金を貯めて頂き、それを保証協会付きローンや住宅ローンなどに貸し出していくことで、BSを大きくしていくというのが当行の基本的な戦略です。 ーー 競合としては、他のキャリア系のデジタルバンクではなく、メガバンクを見ているのでしょうか? 大野: メガバンクは意識しています。今は、既存の銀行やネットバンクといった区別では無くなり、 「銀行」という枠の中で戦っていく のだろうと思っています。メガバンクで言えば、三井住友銀行のOlive(個人向け)やTrunk(法人向け)など、法人も個人もデジタルの世界での勝負になってきています。 ーー 最後に、今後の戦略として、力を入れている分野はありますか? 大野: 今後も UI/UXにこだわる のは継続します。また、最近出した パーソナルローン のように、アプリの画面上でそのお客様に必要な情報を出す「オーダーメイド」を追求していきます。これは、PayPayグループの膨大なデータ量を活用させて頂き、お客様に 最適なサービスを、適切なタイミングで提供 していくという考えによるものです。 私たちには、 日本で初めてネット銀行を作った企業 としての責任があると考えています。 お客様にとって便利なものを、真摯に向き合って作り続ける ことが重要であり、最終的には、ユーザーに一番良いサービスを届け続けるというシンプルな循環を徹底した戦略を、今後もUI/UXによって実現していきたいと思います。 PayPay銀行で利用可能な資金調達・支援手段(同行HPより引用) PayPay銀行株式会社 人事総務本部 コーポレートガバナンス部長 大野 達也 新卒で大手銀行に入社し、法人営業・本社勤務を経て、2010年ジャパンネット銀行(現PayPay銀行)に出向。個人・法人事業で商品開発、推進に従事。2023年にコーポレート部門に異動し、社内重要会議体の事務局、当局・株主・広報対応等を担当している。 TAGs

  • 【インタビュー】粕谷執行役員に聞く、デジタル銀行の絶対王者、楽天銀行の戦略: SPUと内製システムが支える「メイン口座」への進化

    楽天銀行の粕谷執行役員が語る、「エコシステムの最大化」と「システム内製化」がもたらす顧客満足の最前線とBaaSの未来。 INDEX 創成期から現在:エコシステムの「核」としての銀行の進化 SPUと「ロイヤルティ」の獲得戦略 スマホシフトの徹底と「内製化」の強み BaaS戦略:システム内製化の強みと「本気の企業」の提携 業界展望と「メイン口座」への進化 創成期から現在:エコシステムの「核」としての銀行の進化 ーー 楽天グループに参画された当時の狙いを教えてください。 粕谷: 当行の前身であるイーバンク銀行(2000年創業)が楽天グループ入りした2009年当時、楽天グループは、楽天市場を中心とした事業展開を進めており、 EC事業と関連性の強い金融サービスを強化することを目的 に、クレジットカード事業などに続き、銀行を加えることになりました。 ーー 今は、金融取引(フィンテック)がインターネット上で行われることが成熟期を迎えたと思います。当時と比べ、銀行の役割はどのように変化しましたか? 粕谷: フィンテックが広がる中で、お客様も インターネット上で金融取引を行うことへの抵抗感が減ってきている と感じています。また、ECの取引以外にも、銀行が提供できるサービス自体のラインナップも拡大しており、お客様が スマホやPC一つで手軽にすべての手続きを完結できる シーンが増えています。これによりデジタルバンクをご利用いただく機会は飛躍的に拡大していると実感しています。 ーー 2023年に上場されましたが、楽天グループとしての立ち位置だけではなく、銀行単体としての成長戦略も意識されているのでしょうか? 粕谷: 楽天グループは多岐にわたる分野で70以上のサービスを提供し、楽天エコシステムを形成しています。上場後も、 楽天エコシステムの中の銀行 として、その強みを最大限に活用していくというスタンスに変わりはありません。引き続き 楽天会員のお客様にとって、最も便利な銀行 を目指して施策を進めています。一方で、銀行機能単体で見ても、お客さまの日常生活のあらゆるニーズに応えられるようサービスラインナップを拡充しています。 楽天エコシステムとの連携と銀行単体のサービス拡充 、これらを通じてお客様にとっての利便性向上を追求しています。 楽天銀行の事業規模は、2025年9月末時点で口座数1,732万口座 、預金残高12.2兆円 と、国内 デジタルバンクにおいてNo.1の地位 を築いています。特にメイン口座数(給与・賞与受取または口座振替利用)は570万口座まで増加しており、メイン口座率は32.9%です。これは、楽天銀行がお客様の日常生活のなかで利用される 「メインバンク」 として着実に選ばれていることを示していると思います。 口座開設数並びに預金残高はデジタルバンクの中でトップ(2026年3月期第2四半期(中間期)決算説明会資料より抜粋) SPUと「ロイヤルティ」の獲得戦略 ーー 成長の根幹には、SPU(スーパーポイントアッププログラム)を核とした楽天エコシステムの囲い込みがあると思います。この経済圏戦略の成功要因は何でしょうか? 粕谷: SPUは、楽天市場でのお買い物時に、楽天銀行の口座振替や給与受取といった特定のサービス利用に応じてポイント倍率が増える仕組みです。私たちは、お客様に 「楽天エコシステムをもっとお得に、もっと便利に利用していただく」 ことを目指し、SPUを実施しています。具体的には、楽天銀行を楽天カードの引き落とし口座に設定しお支払いいただくことで+0.3倍、給与・賞与・年金の受取で+0.2倍といった形でポイントアップが適用され、楽天銀行口座が お客様の生活の起点になる明確な動機付け になっています。これにより、お客様には 「楽天エコシステムから離れがたい」 というインセンティブを強く感じて頂けていると思います。他社のサービス利用を完全に排他的に制限するのではなく、 「楽天エコシステムのサービス内で揃えた方がお得」 という優遇施策で、お客様が自発的に経済圏内のサービスを選択するように促しているのが特徴です。 楽天エコシステムのサービスと連携した優遇はこれだけではありません。このほかにも、楽天カードのご利用代金の引き落としがあるお客さま向けに、 カードの種類に応じて円普通預金の金利を上乗せ しています。また、楽天証券との口座連携サービスである 「マネーブリッジ」 をご利用のお客様にも金利優遇を行っています。なお当行では、より一層お客様にお得さを感じていただけるよう、今年7月に、給与・賞与・年金のお受取やデビットカードのご利用、楽天カード以外の口座振替など、当行が提供していますさまざまなサービスのご利用状況に応じて、円普通預金金利をさらに上乗せする 「ボーナス金利」 を拡充いたしました。当行のサービスをご利用いただければいただくほど、金利がアップするプログラムとなっています。 ※「ボーナス金利」の詳細は こちら 加えて、より多くのお客様に当行のサービスを知っていただき、ご利用いただくことを目的に、2025年12月1日(月)から2026年2月28日(土)までの期間限定で、口座開設やサービスのご利用に対して特典進呈額が過去最大となる 「過去最強の特典祭」 を開催しています。最大25,000円相当の特典となっていますので、この機会にぜひ楽天銀行の便利さとお得さを体験してみてください。 ※「過去最強の特典祭」の詳細は こちら ーー SPUは、銀行事業の収益に貢献していますか? 粕谷: メイン口座のお客様には、非メイン口座のお客様と比べて多くの預金を預けていただき、当行のサービスを幅広くご利用いただいています。SPUをきっかけに、お客様に日常生活でのメイン口座としてご利用いただき、さらに楽天証券との マネーブリッジ連携 (預金残高のうち52.3%を占め、6.0百万口座が連携)や、 金融商品、ローン、デビットカード といったさまざまなサービスをご利用いただくことで、お客様の利便性が高まると同時に、銀行としての収益も向上しています。 スマホシフトの徹底と「内製化」の強み ーー デジタルバンクとしての長い歴史がありますが、現在の利用比重はPCとスマートフォンのどちらが大きいですか? 粕谷: 利用の 大半がスマートフォン となっています。基本的にアプリ一つで、時間と場所を選ばず、いつでもどこでも、 すべての金融サービスが提供できる というのが、お客様にとっての最大のメリットであると自負しています。 ーー システムの内製化が御社の大きな強みだと思いますが、内製化のメリットは? 粕谷: 当行の最大の特徴は、システムを すべて内製化 していることであり、これが非常に大きな強みとなっています。当行の全従業員に占めるシステム関連部署の システム人員比率は55.6% に達しています。 お客様の声に耳を傾け、フロント部門とシステム部門が密接に連携することで、お客様のニーズに合わせたサービスを迅速に開発・提供できています。 レガシーアセットを保有せず(支店/自社ATMなし) 、 AIの活用を含む業務改善を推進 することで、経費率(営業経費/業務粗利益)は、現状32.9%まで低下しています(前年同期比4.7pt改善)。これにより、お客様へのサービス向上に、より多くの資源を投入できています。 ーー 貸出金についても多角化されていますね。 粕谷: お客様のニーズに応えられるよう、 住宅ローンやカードローンをはじめ多様なローン商品 を用意しています。ここ最近では、主にシニアの方向けの 「楽天銀行リバースモーゲージ」 の拡充を行ったほか、楽天証券との連携による 「楽天銀行証券担保ローン」 をリリースしました。「楽天銀行証券担保ローン」は残高が、サービス開始から約4か月で 100億円を突破 するなど、大変ご好評いただいています。今後もお客様のニーズに合わせてさまざまな商品の展開をしていければと考えています。 BaaS戦略:システム内製化の強みと「本気の企業」との提携 ーー 他のデジタルバンクが積極的に進める「BaaS」戦略に対し、御社の取り組みは? 粕谷: 現時点では、BaaSを数多く提供するということは考えていません。私たちは、BaaSの取り組みを通じて、提携先企業様が持っている特別なアセットやノウハウと楽天銀行の銀行サービスを組み合わせ、お客様にとって、 銀行だけでは作り得ないユニークで魅力的な金融サービス を提供していきたいと考えています。 ーー 具体的な提携先は? 粕谷: 現在、JR東日本グループとの 「JRE BANK」(運輸事業) 、第一生命との 「楽天銀行第一生命支店」(生命保険) など、お客様にとって身近な企業と連携し、より便利で価値のある金融サービスを提供しています。「JRE BANK」では、運賃4割引券などの魅力的な特典が話題となり、お客様にも好評いただいていますが、こういった取り組みは、当行が目指している提携先企業様と作り上げていくBaaS事業の好例と考えています。 ーー システムの内製化は、BaaSに有利に働きますか? 粕谷: システムの内製化は、BaaS事業の推進に際しても 非常に大きな強み となっています。提携先企業様ごと、そして最終的にはお客様の ニーズに合わせてカスタマイズ したサービスをゼロベースで作り上げられるのは、当行ならではの大きなメリットです。 楽天銀行のBaaS提携先(2026年3月期第2四半期(中間期)決算説明会資料より抜粋) 業界展望と「メイン口座」への進化 ーー 今後の展望として、特に力を入れている分野はありますか? 粕谷: 私たちは、 AIの活用 に大変力を入れています。 内部の業務効率や精度向上 のためだけでなく、お客様がもっと便利に、もっと快適に当行をご利用いただけるように、AIを活用した新しいサービスや機能をお届けしたいと考えています。例えば、お客様一人ひとりに寄り添った 金融サービスをご提案 したり、お困りごとをスムーズに解決できるよう サポート したりすることで、これまで以上に充実した 顧客体験 を提供することを目指しています。さらに、最新のデータテクノロジーを駆使して、お客さまのニーズをより深く理解し、それぞれの方に最適なサービスを提供することで、満足度向上を図っていきたいと考えています。お客様ご自身も気づいていないようなニーズも含め、お客様にとって本当にお役に立つ最適なご提案を通じて、より快適な金融体験をお届けしていきたいと考えています。 ーー メガバンクがモダナイゼーション(最新の技術やアーキテクチャに刷新すること)により、スマホ利用を進める事で、既存のデジタルバンクとの競争は激化しています。 粕谷: ネットバンキング部門にメガバンクが本格的に参入していますが、デジタルバンクが広がることで、これまでデジタルバンクを利用してこなかったお客様も含め、 「どの銀行のサービスが便利なのか?」という比較と検討 が生まれてくると考えています。そうした中で、お客様に選ばれる銀行となるべく、 楽天エコシステム とこれまで培ってきたサービスの強みを、お客様にとってより一層価値あるものとなるように磨いていくことに努めています。 楽天銀行株式会社 執行役員 マーケティング本部 本部長 粕谷 珠生 2003年楽天株式会社(現楽天グループ株式会社)入社。楽天市場事業での営業職を経て、2005年より楽天オークション株式会社へ出向、広告・マーケティング部門を担当。2014年に楽天株式会社(現楽天グループ株式会社)金融業務室へ異動し、EC等のインターネット事業と金融事業間の連携強化を進め、主に楽天銀行の顧客基盤拡大を推進。2021年より楽天銀行株式会社の執行役員を務める。 TAGs

  • 【インタビュー】永吉頭取に聞く、全自動銀行の衝撃「レガシーシステム」を捨てる決断: みんなの銀行が挑む日本初のデジタルバンク戦略

    日本初のデジタルバンク「みんなの銀行」の戦略。「150年にわたる増改築」問題から脱却し、BaaSとWeb3を見据えた全自動銀行の設計思想を頭取が語る INDEX 日本初の「デジタルバンク」設立の背景と決断 最小限の機能と外部連携で築くエコシステム戦略 全国展開を見据えたブランド戦略とBaaSへの注力 BaaSの二つの柱:API型と「パートナー支店」の戦略的使い分け BaaSのコア機能:コスト優位性を持つA2A決済 全自動銀行の実現:UI/UXとスピードへの徹底的なこだわり テクノロジー戦略:マルチクラウドと優秀なエンジニアの確保 今後の展望とWeb3への取り組み 日本初の「デジタルバンク」設立の背景と決断 ――同じふくおかフィナンシャルグループ(FFG)傘下の福岡銀行とは全く別の組織として、デジタルバンクをゼロベースで構築することを決断した理由は何ですか? 永吉: 大きなきっかけは二つあります。 一つは、 構造的な課題への直面 です。少子高齢化、特に地方における人口減少のスピードは非常に速く、それに伴い金融資産が都市圏へ流出するという課題があります。 そしてもう一つが、 将来への強い危機感 です。将来の主力顧客となる30代以下のデジタルネイティブ世代が、10年後、今の銀行が提供するサービスについてきてくれるのか。規制緩和が進み、銀行以外の多様なプレイヤーが金融サービスを提供する中、この新しい世代のニーズに応えるには、従来のやり方では限界があると考えました。 既存システムからの脱却:「150年にわたる増改築」問題 永吉: 新しいビジネスをFFGの福岡銀行で行うという選択肢もありましたが、現在の技術トレンドとスピード感を考慮すると、それは現実的ではありません。既存の銀行システムは、言うなれば150年の歴史を持つ巨大な温泉旅館のようなものです。長年にわたり増改築を繰り返した結果、他にはない伝統と格式という趣がある一方で、内部は迷路のように複雑化しています。。この旅館(システム)を改修しながら中、新しいお客さまをスムーズにお迎えするための新しい部屋(商品・サービス)を、安全かつスピーディーに開発・提供することはできないのです。 そこで、既存の銀行を時間をかけてDX(デジタルトランスフォーメーション)するよりも、 ゼロからデジタルに特化した新しい銀行を立ち上げる方が、世の中のスピード感に追いつける という結論に至りました。 我々の「みんなの銀行」は、 「既存の銀行をどうDXするか?」という発想ではなく 、「デジタルを起点に、どんな銀行サービスを提供できるか?」という、従来の銀行とは全く逆の発想で作り上げた、 日本初のデジタルバンク です。 最小限の機能と外部連携で築くエコシステム戦略 ――先行するネット銀行はIT企業とのジョイントベンチャーが多い中、「みんなの銀行」を単独のブランドとしてゼロベースで立ち上げた狙いを教えてください。 永吉: 特定の企業と組むという発想は、立ち上げ当初からありませんでしたが、銀行にはシステムを自前で開発する能力はもともと備わっていません。そこで今回は、ベンダーと一緒にシステムを構築するプロセスの中で、 内製化 を進めることを前提としました。最初はベンダーが100%担う体制からスタートし、徐々に自分たちが100%の内製化する体制に移行していくという考え方で進めており、現在、内製化率はすでに 7割 ほどになっています。 エコシステム戦略:あえて「持たない」銀行へ 永吉: また、我々は銀行としてあえて ミニマムな機能 しか持たないようにしています。例えば、保険や投資信託といった商品は扱っていません。これらの商品には、専用のシステムや販売体制といった非常に重いコストが伴い、単体では収益を上げるのが難しい事業体になりがちだからです。 そこで我々は、デジタルと相性の良いビジネスを展開している証券会社や保険会社などとパートナーシップを組んで デジタル上で連携 します。互いを繋ぐことで、金融として一体的でシームレスなサービスを構築するという エコシステム戦略 で事業を進めています。 ――それはBaaS(Banking as a Service)的なアプローチということでしょうか? 永吉: はい、おっしゃる通りです。金融機能をAPIで提供する銀行側から見れば「BaaS」であり、それを自社のサービスに組み込む事業者様の側から見れば 「エンベデッドファイナンス(組み込み型金融)」 となります。これらはまさに表裏一体の関係です。そして、このBaaSという仕組みを核として、様々な事業者様とパートナーシップを組み、一体的でシームレスなサービスを作り上げていく。そうして生まれる新しい金融体験の世界こそ、我々が目指す 「エコシステム」 そのものなのです。 全国展開を見据えたブランド戦略とBaaSへの注力 ――あえて「福岡銀行」の名前を出さず、「みんなの銀行」というブランドにした理由を教えてください。 永吉: まさに、 地域に限定しない という方針が理由です。地方銀行は基本的に地域の名前が付いているため、その地域内ではブランドの元に顧客が付いていますが、サービスをデジタル化した瞬間に、全国どこからでもアクセスできるようになります。究極的には海外からでも利用してもらえる仕組みになっていくわけです。 このように面を広げていく上では、逆に「九州」や「福岡」といった 地域名は、ブランディングの観点ではかえって制約になる と考えました。北海道の方が「福岡」の名前がついたデジタルサービスを見ると、違和感を覚えるかもしれない。したがって、最初からブランドは既存の銀行とは 完全に分離 して展開するという方針を採りました。最初から全国規模、そして将来的には海外も視野に入れたオープンな展開を想定しています。 ――その発想に基づき、BaaS(Banking as a Service)にも相当力を入れているように見受けられます。 永吉: はい、力を入れています。我々のB2C(一般の個人のお客様)向けに提供している機能は、すべて マイクロサービス化されており、APIの塊のよう になっています。そのため、ある事業者が「この機能を自社のデジタルチャネルに組み込みたい」というニーズがあれば、それをAPIとして切り出し、外部に提供することができます。我々のサービスに備わっているのは 必要最低限の機能のみ ですが、裏を返せば、それを自由に組み合わせて使っていただけるということです。 BaaSの二つの柱:API型と「パートナー支店」の戦略的使い分け ――BaaSにはAPI型のものとパートナー支店型があると思いますが、どのように使い分けているのでしょうか? 永吉: 「パートナー支店」と「API」は、そもそも目的と仕組みが異なります。 モデル 目的・位置づけ 仕組みとメリット パートナー支店 マーケティングモデル。顧客基盤とブランド力を持つ事業会社と連携し、その顧客層に愛着を持って使ってもらう 。 口座開設時に情報の共同利用に同意いただくことで、銀行のデータと事業会社のデータを組み合わせ、複合的なマーケティング(独自のポイント付与、プッシュ通知など)が可能。API連携へつなげるための「入口」という位置づけ。 API(連携) 事業会社が自社のチャネルに金融機能を組み込んでいくための仕組み。 組み込みたい機能(決済、預金、融資など)をAPIベースで提供。こちらはコスト削減や収益への貢献といった本質的な効果が期待できる。 ――現在は、どちらの採用が多いですか? 永吉: 単純な割合ではなく、戦略的な位置づけで使い分けられています。大きな顧客基盤とブランド力を持ち、我々の銀行機能・サービスを自社サービスに組み込んで使いたいというニーズを持つ事業者様は、まず パートナー支店 を、次に API連携を採用いただくケース が多いです。我々は、パートナー支店をその後の機能連携やAPI連携につなげるための「入口」と捉えているため、基本的にAPI連携とセットで取り組んでいただきたいという方針です。 現在、BaaSパートナー企業は28社(2025年11月時点のMOU締結先とサービスリリース先)に拡大していますが、事業者様の多くがパートナー支店とAPI連携の両方を選ばれています。 ※ 12月4日時点でパートナー企業が30社を超えたと発表 BaaSのコア機能:コスト優位性を持つA2A決済 ――「みんなの銀行」自身が今最も力を入れている顧客層は個人(B2C)口座という認識で合っていますか? 永吉: はい、その通りです。我々がネイティブで展開しているサービスはB2C(個人向け)の金融サービスです。そして、BaaS事業では、エンドユーザーが個人である事業者様と連携し、その事業者様のお客様(個人)に対して金融機能を提供しています。したがって、事業モデルとしては B2B2C(企業から企業、そして個人へ) という形になっています。 ――導入された企業が最も利用している機能は何でしょうか? 永吉: 顧客基盤や事業規模が大きくなればなるほど、 決済に関する課題感 をお持ちの企業が多いです。特にECビジネスを展開されている事業者様は、キャッシュレス決済比率が年々増加しており、それに伴いコストとしての決済手数料も高くなりがちです。 こうした事業者様に対し、我々の口座間決済(A2A決済:Acount to Acount決済の略で、銀行口座からダイレクトに購入代金などを支払う仕組み)を提供することで、以下の大きな価値を提供できています。 1.     コストの削減 : 決済に係る中間事業者がいなくなることで、決済手数料を大幅に安くできます。 2.     スピードの向上 : 売上がリアルタイムで事業者様に入金されるため、資金化のタイムラグがなくなります。 A2A決済の優位性 ――A2A決済は、デビット決済などの既存の手法と比較して、コスト面での優位性が高いのですね? 永吉: その通りです。我々の仕組みの大きなメリットは、キャッシュレス決済の仕組みに カードブランドや決済代行事業者といった仲介者が入らない ため、その分のコストを大幅に下げられるという点にあります。浮いたコストは、事業者様の経費削減に充てていただいたり、顧客に還元することで、購買頻度や単価の向上につなげることができます。 このように、自社と顧客が直接繋がることで、 「コスト削減 → 顧客還元 → 購買促進」 という好循環を生み出すことができるモデルだと考えています。 全自動銀行の実現:UI/UXとスピードへの徹底的なこだわり ――「スマホファースト」という点において、御社が相当先行されている印象です。UI(ユーザーインターフェース)やUX(ユーザー体験)の部分は、相当力を入れて取り組まれたのでしょうか? 永吉: はい、デザイン性や操作性には非常にこだわって作っています。まず、 「見た目が銀行らしくない」ことを出発点にしていますし、サービスの操作性に関しても、これまでの銀行にはなかった工夫を凝らしています。例えば、ドラッグ&ドロップでお金を動かせるといった機能もそうです。これは、想定しているユーザーがデジタルネイティブな若い世代 だからです。若い世代にとって使いやすいと感じてもらえることを最優先しました。 圧倒的な口座開設スピード ――口座開設から全ての銀行取引まで、すべてスマートフォンアプリで完結するのでしょうか? 永吉: はい、そうです。一切、通帳も印鑑も必要ないので郵送物もありません。 「使えるようになるまで」のスピード には圧倒的な優位性があります。我々が強みとしているのは、24時間365日、いつでも口座開設ができ、その場ですぐに使えるようになる点です。先日、JPKI(公的個人認証サービス)に対応したことで、現在は 最短で3分程度 で口座開設が完了する方も出てきています。夜中の2時や3時に思い立って口座を作っても、作った瞬間からすぐに使えます。 「ネット銀行」ではなく「デジタルバンク」 ――そこまで完全にスマートフォンで完結させているのは、御社だけではないでしょうか? 永吉: そうかもしれません。それが、まさに 「デジタルを前提に銀行を作る」 というアプローチをしているからです。 従来のネット銀行と我々デジタルバンクは、「店舗や窓口などの有人チャネルがない」という点においては同じように見えるかもしれません。しかし我々は、デジタルを起点に 「人のプロセスや紙のプロセスを、どうしたら『ない状態』で銀行取引ができるか」 という思想で設計しています。我々の銀行の裏側で人がオペレーションする工程は実質的にありません。我々は、まさしく「全自動銀行」と呼べる、完全に自動化されたオペレーションを実現しています。 これらは「既存のレガシーな勘定系システムの制約に縛られなかった」ことが非常に大きいです。業務プロセスから不要なものを全て削ぎ落として作ることができたからこそ、私たちは 「日本初のデジタルバンク」 であり、「ネット銀行ではない」と発信し続けているのです。 テクノロジー戦略:マルチクラウドと優秀なエンジニアの確保 ――全てのシステムを、最初の段階からクラウド化されたのですね。 永吉: はい、そうです。基幹システムは Google Cloud に載せています。ただし、我々はマルチクラウド戦略 を採っており、AzureやAWSも使っていますし、Oracleも活用しています。基本的にフルクラウド、マルチクラウドで構築しています。 ――Google Cloud を日本の金融機関で初めて使ったというのも特徴的ですね。 永吉: その通りです。金融機関は実績主義なので、当初はAWSが採用実績も多く社内でも有力な選択肢でした。しかし、どうせゼロからスタートするなら、自分たちが実現したいシステムを創ろう、万一立ち上がりがうまくいかなくても最初は顧客もいないわけですから、 新しいものに挑戦できる 。こうした考え方で、Google Cloudの採用を決めました。 究極的には「最初は顧客がいない」という割り切りでしたが、 新しいテクノロジーやシステムを作ること、内製のためにエンジニアを採用することに意味がありました 。優秀なエンジニアは、新しい技術を使って面白いことができる環境に惹かれるため、初期の頃は「Google Cloud上に金融機関を作る」といった触れ込みだけでも、多くの優秀なエンジニアが集まりました。 今後の展望とWeb3への取り組み ――ふくおかフィナンシャルグループ(FFG)として、地元である九州エリアの顧客への対応はどのようにされていますか? 永吉: 最初の段階では、相互の営業協力は全く行っていませんでした。実際、現在のユーザーのうち、九州内での重複は全体の 1割程度 です。 しかし、ここ最近は「金利のある世界」になり、ネット銀行や他の地銀で高い金利を宣伝するケースが増えています。その影響で、グループ銀行のお客様の中にも「金利が低いから他の銀行に移そう」という方も出てきています。 これに対して、グループとしては逆にチャンスと捉えています。窓口に来て「定期預金を解約して他行に振り込みたい」と言うお客様に対して、「同じグループ内の銀行で、最短5分で口座開設でき、定期預金のように高い金利で出し入れも自由な(みんなの銀行の)貯蓄預金があります」と提案できるわけで、このようなニーズがあれば、積極的に対応するようにしています。 ――今後の計画として、予定している機能やサービスはありますか。 永吉: これからの世の中のトレンドや変化のスピードに、どれだけ対応していけるかが課題です。すでに発表しているものとしては、 ステーブルコインやWeb3の世界に関連する取り組み があります。デジタルバンクとして、新しい金融の仕組みや経済圏をどのように作れるか、どのように触れられるかを、現在は、R&D(研究開発)しながら検討しているところです。 ――ステーブルコインなどの実用的な用途は、現時点では限定的ということでしょうか。 永吉: そうです。みんなの銀行ではA2A決済のようにコストをほぼゼロに近く提供できる仕組みがあるため、ステーブルコインを決済目的で利用するニーズは、現時点では限定的だと考えています。現在は、企業が社内のキャッシュマネジメントシステムで利用するのか、海外送金で利用するのかなど、 用途はまだ模索段階 です。今はニーズを探りながら検討しているところです。 株式会社みんなの銀行 取締役頭取 永吉 健一 株式会社みんなの銀行の取締役頭取を務める金融実務者兼起業家。九州大学法学部を卒業後、1995年に福岡銀行に入行し、経営企画や統合プロジェクトなどを担当した。社内ベンチャーとして立ち上げた「iBankマーケティング」では、銀行外のデジタル金融プラットフォーム開発を推進。2021年5月に「みんなの銀行」がサービスを開始し、2022年4月より現職を務めている。現在は、金融とテクノロジーを融合させた「BaaS」「Web3」「クラウド型銀行システム」の構想・推進にも注力している。 TAGs

  • 【インタビュー】小野沢執行役員に聞く、GMOあおぞらネット銀行の挑戦: 法人の「イコールパートナー」と必然のBaaS戦略

    メガバンクを技術屋としてみてきた経験者が語るデジタル銀行の真髄。イコールパートナーの理念と、創業直後の法人を支える必然のBaaS戦略を徹底解剖 INDEX GMOあおぞらネット銀行誕生の経緯と理念 ゼロベースの内製システム構築と挑戦 BaaS戦略:オープンバンキングへの必然的な参入 収益構造とフォーカスする顧客層 未来の銀行へ:AI活用の展望 GMOあおぞらネット銀行誕生の経緯と理念 ―― GMOインターネットグループとあおぞら銀行が共同でデジタルバンクを立ち上げることになった経緯と狙いを教えてください。   小野沢:   GMOインターネットグループは、社会のインフラを担う総合インターネットグループです。 過去、新規ビジネスの1つとして地方銀行などがインターネット業界に一斉に関心を持ち始めた時期に、複数の金融機関からGMOインターネットグループに、「一緒にネットバンクを作りませんか?」というお声がけがありました。すでにネット証券などネット金融を展開していたGMOインターネットグループは、親和性の高さを感じ、ネット銀行の立ち上げを模索するようになりました。立ち上げにあたり、まずはメインバンクであるあおぞら銀行の当時の社長に、ご相談に行ったところ、 「それなら一緒にやろう」 という話になり、 ジョイントベンチャー(JV) という形で、あおぞら信託銀行を衣替えし、GMOあおぞらネット銀行を立ち上げることになりました。あおぞら銀行とGMOインターネットグループのシナジーを最大限に発揮し、既存の枠組みにとらわれない 「銀行×IT」 の融合による新しい金融サービスの提供を目指しスタートしました。 独自の役割分担とイコールパートナーシップ 小野沢:   立ち上げ当初から、 基本的なビジネス面やシステム面についてはGMOインターネットグループがリード し、 銀行業としてのガバナンスなどはあおぞら銀行が担う という、非常に良い役割分担ができていたと思います。 GMOインターネットグループには、金融システムを自社で開発するバックグラウンドとスキルがあったため、立ち上げ当初はGMOクリック証券のエンジニアも参画し、システムを作り込んでいきました。 ―― 議決権比率(あおぞら銀行85.12%)を見ると、あおぞら銀行の意向が強く反映されるのでは?   小野沢:   事業開始時の精神は現在も変わっておらず、 「50対50のイコールパートナー」 という位置づけです。ジョイントベンチャーとして、あくまでイコールパートナーであり、その考え方で運営しています 。 ゼロベースの内製システム構築と挑戦 ―― 実質的に、ゼロベースで新しい銀行を立ち上げるという、かなりチャレンジングな選択をされましたね。 小野沢:   本当に困難な道を選んだと思いますが、よくここまで作り上げたなと、手前味噌ですが感心します。私自身、当社に参画するまでに、これまでさまざまな銀行のシステムを見てきましたが、GMOあおぞらネット銀行のシステムは本当によくできています。 「パッケージとして使う部分はここまで」「自分たちで手を入れる部分はここ」 といった アーキテクチャ設計 、そのデザインが非常にうまくできていると感じます 。 内製開発のすごさ 小野沢: 私自身の経験の中でも、 「銀行の勘定系システムを内製でここまで作り上げた」 というのは本当にすごいと思います。いまはエンジニアのほとんどがプロパー社員で社員の4割を占めます。エンジニア陣から生み出される内製開発力が当社の大きな強みの一つです 。 BaaS戦略:オープンバンキングへの必然的な参入 ―― BaaS(Banking as a Service)に力を入れていらっしゃいますが、当初から他社向けにAPIを提供する構想はあったのでしょうか ?   小野沢:   2018年7月の事業開始当初からホワイトラベル銀行構想(当時はプラットフォーム銀行構想と呼んでいた)はありました。しかし、まだその時は APIで提供するという構想はありませんでした。 これは後から出てきた話です。 ちょうど2018年7月の事業開始前に銀行法の改正があり、オープンAPIの開放努力義務化の話がありました。まだネット銀行としてはスタートしていない信託銀行時代でしたので、信託銀行としては取り組まないがネット銀行としてはどうするか?と社内で議論になりました。その中で「自分たちの強みは何か」「差別化要因は何か」を突き詰め、 「ネット企業らしいオープンバンキングの形を提供しよう」 となりました。ビジネス・エンジニアが一体となって議論しながら作り上げたのが、我々の銀行APIサービスです。 インターネットの常識に基づくAPI戦略 小野沢: まだ日本では、各行がオープンAPIの準備中という時期でしたので、国内事例がなく、シンガポールのDBSやドイツ銀行など、オープンバンキングが進んでいる 海外事例も参考 に進めました。特に現在まで生きているのが、インターネットの常識に則り、仕様はオープンに公開し、誰でも使える形にすることを重視したことです。 我々は銀行ですが、「銀行がインターネットバンキングを提供する」のではなく、 「IT企業が銀行ライセンスを持ってサービスを提供する」 という意識で取り組んでいます。そのため銀行APIにおいても、仕様の公開、原則利用料無償、コミュニティ運営、SDK公開(GitHubへのソースコード登録)、サンドボックス環境の提供などを行いました。その当時、国内銀行ではここまでの取り組みがありませんでしたので、銀行業界の方々からは驚かれました。 BaaSは必然の結果 小野沢: BaaSやエンベデッドファイナンス(組み込み型金融)を始めたのは、「海外で流行っているから」という理由ではありません。銀行APIを提供する中で、「どのように使ってもらえば有効なのか」と議論を重ねた結果、自分たちがAPIを用意し、銀行機能をお客様のサービスに組み込んでもらうことが最も自然で正しい姿ではないか、という結論に至りました。 そこから、組み込み型金融の文脈で「銀行APIの次の見せ方・使われ方」を提案していこう、という形になったのです。つまり、 BaaSのサービス自体は結果として生まれたもの であり、ある意味必然的にできたものだと認識しています。 収益構造とフォーカスする顧客層 ――BaaSによる収益も重要視されていますか?   小野沢:   B to B向けのBaaSの利用料や手数料はいただいていますが、それ自体が銀行業の 主たる収益ではありません 。私たちは、BaaSや銀行APIはあくまで「チャネル」と位置づけています。銀行APIというチャネルを通じて多くの取引を生み出し、「口座の組み込み」や「組み込み型金融(各種銀行機能・サービス)」の提供によってお客様や、そのサービスを利用するエンドユーザーが便利になり、 結果として銀行としての収益が上がること が本質だと考えています。   トランザクション収益が中心 小野沢:   当社のデジタルバンク事業の柱は、現時点では トランザクション収益 です。具体的には、振込取引やデビットカードのインターチェンジフィーなど決済収益がメインになります。将来的にはバランスシートを活用した貸し出しの拡大も検討していく予定です 。   創業直後の法人をナンバーワンサービスで支える ――他行と比較した場合の、GMOあおぞらネット銀行の強みは何でしょうか?   小野沢:  私たちは、 法人のお客様、特に創業直後の法人にとってナンバーワンの銀行 でありたいと考えています。 強み1:銀行口座を オンライン完結で手続きしやすい こと。 強み2:手数料を抑えている こと。 強み3:税金や社会保険料などの納付 にも対応しており、創業直後から5年目程度のお客様にとって使いやすいサービスを提供しています。 こうした取り組みの結果、東京商工リサーチの「メインバンク調査」において、昨年と一昨年で メイン企業数の増加率ランキングナンバーワン の評価をいただくことができました。 我々をご利用いただいているお客様は、いわゆるベンチャーファンドが支援するような「ピカピカのスタートアップ」というより、もう少し現場に近い、「起業してみよう、新しい事業を始めてみよう」という方々が中心です。そのため、今後は、創業融資などにも対応できるよう準備を進めていきたいと考えています 。   独自の経済圏戦略:組み込み型金融の意義 ――楽天経済圏のような、グループとしての経済圏的な役割は意識されていますか?   小野沢:   考えていないわけではありませんが、GMOインターネットグループという経済圏への依存度は高くありません。GMOインターネットグループ自身が、社会の 黒子的な役割 であるため、経済圏として大きな訴求力は得られにくいでしょう。我々が組み込み型金融に注力している理由の一つはここにあります。楽天やPayPay、au、ドコモといった他のネット銀行が独自の経済圏を持っている一方、我々は 経済圏 を持っていません。そのため、 経済圏を持つ企業に使っていただく ことで、我々の銀行の知名度やフットプリントを広げることにつながると考えています。 未来の銀行へ:AI活用の展望 ――今後の展望として、ITやデジタル分野で注目していることはありますか?   小野沢:   我々の将来を考える上で重視すべきなのは、 AIの活用 だと思います。 銀行は 労働集約型産業と装置産業 の組み合わせで成り立っており、AIの貢献は非常に大きいと考えています。我々の強みである「低コストでスピード感をもって最新鋭のサービスを提供し続ける」ためにもAIは重要です。 AIの活用には二つの大きな側面があります 。 プロセス効率化のためのAI:  装置産業部分のプロセシングを効率化し、お客様対応やモニタリングを効率化する。 お客様とのインターフェースとしてのAI(AIエージェント):  法人向け・個人向けを問わず、お客様との接点を強化 し、お客さまの利便性を追求する。 我々は常に既存の枠にとらわれない 「未来型の銀行」 を目指しており、それを実現するための取り組みについて、常に議論しています。今後は、 システムが担う部分、AIが担う部分、人間が担当する部分の役割分担の比率が大きく変わっていく のではないかと考えています 。 GMOあおぞらネット銀行株式会社 執行役員 営業本部長 兼 カスタマーサポートグループ長 一般社団法人Fintech協会 理事 一般社団法人電子決済等代行事業者協会理事 小野沢 宏晋 1989年、武蔵工業大学(現・東京都市大学)経営工学科を卒業後、日本アイ・ビー・エム株式会社に入社。銀行向けシステム構築やソリューション開発、メガバンクの統合プロジェクトに従事した。2007年にはIBM Corporationに派遣され、大手金融グループや金融ソリューション企画部門に参画。帰任後は地方銀行向けサービスや共同化システム運営会社の取締役副社長を経て、2013年に日本IBM理事、2017年にはバイスプレジデントとしてアウトソーシング事業の事業開発を担当。2019年よりGMOあおぞらネット銀行に参画。金融システム構築から経営企画まで幅広く経験を持つ。 TAGs

  • アドビ、ChatGPT から Photoshop・Express・Acrobat を操作可能に

    image : @Adobe on Youtube チャット操作で画像編集・デザイン・PDF 作業が一気にスマートに  米Adobeは現地時間12月10日、ChatGPT から同社アプリを直接操作できる新機能「Adobe Apps for ChatGPT」を公開した。Photoshop、Adobe Express、Acrobat の各機能をチャット指示だけで実行でき、画像補正からPDF編集までの作業が大幅に簡素化される。 何ができるようになったのか  ChatGPT に「背景をぼかして」「PDF を圧縮して」「SNS 用にデザインを作成して」などと入力するだけで、目的に応じたアプリが自動的に起動し、処理まで完結する。アプリ間の行き来を意識する必要がなく、作業体験がシームレスになる点が特徴だ。 Photoshop 特定部位の調整、明るさや露出の変更、背景ぼかし、グリッチ・グローなどの効果適用など、主要編集機能をチャットで実行可能。 image : Adobe Adobe Express 招待状、SNS投稿、チラシなどをテンプレートから生成。テキスト差し替え、画像挿入、アニメーション設定にも対応する。 image : Adobe Acrobat PDF の編集・結合・圧縮・テキスト/表の抽出・形式変換に加え、機密情報の削除もチャットから操作できる。 image : Adobe 動画で見る — Adobe Apps for ChatGPT image : @Adobe   対応環境と利用条件  ChatGPT のデスクトップ版・Web版・iOS版で利用可能。Android は現時点で Express のみ対応しており、Photoshop と Acrobat は近日対応予定とされる。基本機能は無料で試すことができる。 背景と狙い  Adobe は主要アプリの「会話型 UI への再設計」を進めており、専門ツールの操作をより直感的にすることで利用層を拡大したい考えだ。高度な制作は従来のアプリ操作が必要だが、日常的な編集や軽作業には十分実用的で、業務フローの効率化を求めるユーザーにとっても注目すべきアップデートと言える。 参照サイト アドビ プレスリリース抄訳版 アドビ、ChatGPTでAdobe Photoshop、Adobe Express 、Adobe Acrobatを提供開始 https://news.adobe.com/ja/news/2025/12/20251211-adobe-photosop-express-acrobat-chatgpt TAGs

  • 楽天銀行が「スマホATM」開始、ネット銀行を中心に広がるカードレス化

    image : 楽天銀行株式会社 QRコード認証で完結する次世代ATM取引が拡大  楽天銀行は12月9日、スマートフォンのみでATM入出金が行える「スマホATM」サービスを全国で開始した。ユーザーは楽天銀行アプリを最新版に更新し、ATM画面に表示されるQRコードを読み取るだけで現金の引き出しや預け入れができる。対応ATMはセブン銀行ATMとローソン銀行ATMで、主要コンビニ設置の端末を中心にカードレスで利用可能となった。 image : 楽天銀行株式会社  スマホATMでは取引金額の入力や暗証番号の認証をアプリ側で完結できるため、キャッシュカードの持ち歩きが不要となる。カード紛失リスクを避けつつ、現金が必要な場面でもスマホのみで取引できる利便性が大きな特徴だ。 広がるカードレスATM対応  カードレスATMは楽天銀行だけでなく、複数の銀行が導入している。以下に主な事例を紹介する。 auじぶん銀行 QRコードを使ったカードレスATMサービスに対応しており、セブン銀行ATMやローソン銀行ATMでスマホアプリによる入出金が可能な仕組みを提供している。 PayPay銀行 PayPayアプリまたはPayPay銀行アプリを使い、セブン銀行ATMやローソン銀行ATMでスマホのみで現金の入出金ができる「カードレスATM」サービスを提供している。QRコードを読み取ることで取引が完結する。 住信SBIネット銀行 スマホアプリをキャッシュカード代わりに使う「アプリでATM」機能により、セブン銀行ATMやローソン銀行ATMから現金の預け入れ・引き出しが可能。QRコード読み取りによりキャッシュカード不要でATM取引が完了する。 ソニー銀行 セブン銀行ATMおよびローソン銀行ATMでキャッシュカード不要の入出金に対応しているほか、カードローンの借入・返済もアプリ操作で行える機能を提供している。 みんなの銀行 物理カードを発行せず、スマホアプリに表示されるQRコードでセブン銀行ATMなどから入出金する方式を採用している。カードレスを前提とした銀行として、スマホ特化度の高いサービス設計となっている。 ゆうちょ銀行 ゆうちょATMでスマホアプリを使って現金の入出金ができる。ATM画面に表示されたQRコードを「ゆうちょ通帳アプリ」で読み取って操作する方式で、出金時には別途「ゆうちょ認証アプリ」による本人認証が必要になる。 デジタルと現金を繋ぐ新たな標準機能  日本ではキャッシュレス決済が広がりつつある一方で、依然として現金が必要となる場面も少なくない。そのため、ATM取引をスマホだけで完結させる仕組みは、ユーザー体験を大きく向上させる要素となっている。QRコードとアプリ認証を組み合わせたカードレス取引は、手軽さに加え、安全性の点でも評価が高い。さらに、各ネット銀行が機能拡張を競うように進めている現状を踏まえると、この仕組みは今後、標準的なサービスとして広く定着していく可能性が高い。 参照サイト 楽天銀行株式会社 プレスリリース 楽天銀行、「スマホATM」サービスの取扱いを開始~スマートフォンだけでATM取引が可能に~ https://www.rakuten-bank.co.jp/press/2025/251210.html 楽天銀行公式サイト https://www.rakuten-bank.co.jp/atm/smartphone-atm/ TAGs

  • OpenAI、最新AIモデル「GPT-5.2」を発表

    image : OpenAI 高度な知識労働の生産性を引き上げる新基準へ  米OpenAIは現地時間12月11日、大規模言語モデル(LLM)「GPT-5」シリーズのアップデート版となる「GPT-5.2」を正式に発表した。専門的な知識作業や長時間稼働するAIエージェント向けに最適化されており、複雑なタスク処理や長文理解を中心に、推論性能と生成品質が大幅に向上しているという。GPT-5.2はChatGPTの有料プラン(Plus、Pro、Go、Business、Enterprise)およびAPIを通じて順次提供が開始される。また、前世代モデルである GPT-5.1 はレガシーモデルとして約3カ月間提供された後、提供を終了する予定とされている。 GPT-5.2の特徴と性能向上  GPT-5.2シリーズは、日常的な検索や文書作成から複雑なプロジェクトマネジメントまで対応できる汎用性を備える。性能評価でも進化が明確に出ており、44職種の知識業務を対象にした指標「GDPval」では、GPT-5.2の「Thinking」モデルが70.9%のタスクで人間と同等の成果を達成し、前世代モデルを大きく上回った。また、ソフトウェア開発ベンチマークの「SWE-Bench Pro」や科学・数学タスクでも優れたスコアを記録している。 利用目的に応じた3モデル構成  モデル構成は用途別に「Instant」「Thinking」「Pro」の3種類を提供する。Instantは日常的な生成タスク向け、Thinkingは高度な推論処理向け、Proは高精度が求められる専門用途向けモデルとして位置付けられている。   利用環境の広がり  GPT-5.2はChatGPTの有料プラン(Plus、Pro、Go、Business、Enterprise)およびAPIでの提供に加え、外部プラットフォームでも利用が拡大する。Microsoft 365 CopilotおよびCopilot Studioでは同日から順次提供が開始され、OpenAIの次世代モデルが主要な業務アプリケーション環境へ広がりつつある。 安全性・信頼性の向上  OpenAIはGPT-5.2において、長文文脈での整合性や出力の安定性を強化した。モデル挙動の一貫性向上やリスク低減策の改善が進められ、実務用途での誤解や誤用を抑制するための設計が施されている。企業利用や専門業務での導入拡大を見据えたアップデートと位置付けられる。 リリースの背景と狙い  今回のリリースの背景には、Googleの Gemini 3 など競合モデルの台頭があるとみられる。過去にも、OpenAIがGPT-5を投入した際には、旧モデルの動作を刷新し、複雑な推論や外部ツールとの連携を拡張するなど、競争環境の変化に合わせたアップデートを行ってきた。GPT-5.2はその延長線上にある存在で、専門的タスクでの優位性をさらに明確にする狙いがある。 参照サイト OpenAI公式サイト ニュース GPT-5.2 が登場 https://openai.com/ja-JP/index/introducing-gpt-5-2/ Microsoft公式サイト ニュース  Available today: GPT-5.2 in Microsoft 365 Copilot https://www.microsoft.com/en-us/microsoft-365/blog/2025/12/11/available-today-gpt-5-2-in-microsoft-365-copilot/ TAGs

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