OpenAIとPayPalが提携:ChatGPTにPayPal決済を提供
- 桜井 未来

- 10月29日
- 読了時間: 2分

チャットから商品検索・購入までを数タップで完了できる、次世代EC体験
米OpenAIと米PayPalは現地時間10月28日、チャットベースのやり取りから購入までをシームレスにつなぐ「インスタントチェックアウト(Instant Checkout)」および「エージェントコマース(Agentic Commerce)」をChatGPT上で提供するための提携を発表した。
この提携により、チャット型AIサービスは単なる情報取得ツールから、購買までをつなぐプラットフォームへと進化することが期待される。ChatGPTの利用者基盤とPayPalの決済インフラを組み合わせることで、チャットから数タップで購入完了まで進める体験を提供する予定である。
主要なポイント
PayPalはOpenAIの新プロトコル「Agentic Commerce Protocol(ACP)」を採用し、数千万規模の加盟店の商品をチャット上で検索・購入可能にする計画。
ユーザーは銀行口座、残高、クレジットカードなど複数の資金源を利用できるPayPalウォレット機能に加え、購入者・販売者保護や追跡・紛争解決など決済後のサポートも利用できる。
加盟店は個別の統合やブランド別接続を必要とせず、ACPサーバー経由で一元的にChatGPT上で商品を提供可能。アパレル、美容、家電、住設品など幅広い商材に対応する。
この提携は単なる「チャット+決済」にとどまらず、PayPal社内でもOpenAIのエンタープライズ版GPTやCodexを活用し、開発効率や顧客体験の向上に取り組む。
今後の展望と課題
本格展開は2026年にかけて予定されており、ユーザー体験の進化、加盟店拡大、チャットプラットフォーム内でのコマース構築が鍵となる。一方で、チャットと決済が密接になることで、プライバシーやセキュリティリスク、意図しない購入といったUX課題にも注意が必要である。検索・レコメンド精度、加盟店カタログの整備、返品・交換プロセスの設計も重要となる。
OpenAIとPayPalの連携は、「チャット→購買」の流れを効率化し、チャット型AIの商用化を加速させる重要なステップである。企業・消費者双方にとって、次世代コマースの“入り口”となる提携であり、今後の展開に注目が集まる。
参照サイト
Paypal Newsroom
OpenAI and PayPal Team Up to Power Instant Checkout and Agentic Commerce in ChatGPT


