サムスンが警告、メモリ不足は2027年にさらに深刻化
- 藤崎 翔太

- 5月4日
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サムスンがQ1決算説明会でメモリの需給ギャップが2027年にさらに拡大すると表明。スマートフォンやPCなどの価格上昇が続く見通し。
AIブームが引き起こすメモリ不足の現状
世界最大級のRAMおよびストレージメーカーであるサムスンは、2027年にメモリ不足がさらに悪化し、その状況が翌年以降も継続するとの見通しをロイター通信に示した。
決算説明会でサムスンは、メモリ製品の需要がAI関連のワークロードによって急速に拡大している一方、DRAM(ダイナミックRAM)チップの生産増強には時間がかかるため、需要の急増に対応できていないと説明した。また、現在の在庫水準は極めて逼迫しており、需要充足率は過去最低水準に低下していると述べた。
2027年に向けて需給ギャップはさらに拡大
サムスン半導体部門のキム・ジェジュン上級副社長はアナリストに対し、2027年向けの受注状況のみを見ても、メモリの需給ギャップは2026年をさらに上回る水準に拡大するとの見方を示した。
需要拡大の背景には、AI向けインフラで使われる高帯域幅メモリ(HBM)へ生産能力がシフトしていることがある。これにより、スマートフォンやPCに使われる汎用メモリの生産量が圧迫されている。Nikkei Asiaの報道によれば、設備拡張計画があるにもかかわらず、世界全体のDRAM生産量は総需要の約60%しか満たせない可能性がある。
2027年分の生産量はすでに完売状態にあるとも伝えられており、状況の改善は早くても2028年以降になると見られる。
消費者・製品価格への影響
メモリ不足の影響はすでにスマートフォン価格に表れており、サムスンのGalaxy A37やGalaxy A57は前モデルから大きな改良がないにもかかわらず、価格が引き上げられた。モトローラも2026年版Razrシリーズを小幅なアップデートで値上げして投入している。
Counterpoint Researchのデータによれば、2026年半ばまでにDRAMとNANDがエントリーレベルのスマートフォンの総コストに占める割合は3分の1を超える可能性があり、プレミアムモデルでも約5分の1をメモリが占める見込みだ。
サムスンの業績への影響
メモリ不足はサムスン自身にとって追い風となっており、同社の半導体部門の営業利益は2026年第1四半期に約53.7兆ウォン(約365億ドル)に達し、前四半期比で49倍に拡大した。
一方で、サムスンのモバイル部門(MX)責任者であるTM Roh氏は、DRAMとNANDの価格上昇によって製造コストが大幅に増加しており、スマートフォン事業が初めて赤字に転落する可能性があると社内で警告している。
業界全体でも長期化を示唆
サムスンだけでなく、SKハイニックスの崔泰源(チェ・テウォン)会長は2030年までメモリ不足が続くと予測しており、マイクロンは消費者向け市場よりもAI向け高収益製品に注力する方向に転換している。
「一時的な値上がり」では済まない可能性
今回のサムスンの発表が示すのは、メモリ価格の高騰が短期間で収束する見通しが立っていないという現実だ。AI向けデータセンターの急拡大が需要を押し上げ続ける中、新工場の稼働には数年単位の時間がかかる。メーカー各社が高収益のHBM生産にシフトしている構造的な問題も重なり、スマートフォンやPC向けの汎用メモリ不足は2028年以降も長引く可能性がある。今後しばらくは、デバイスの買い替えコストが上昇し続ける局面が続きそうだ。
(Source:PHONE ARENA)




