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MastercardのAI決済「Agent Pay」、日本で初の本番取引を実施

  • 執筆者の写真: 藤崎 翔太
    藤崎 翔太
  • 3 時間前
  • 読了時間: 3分

Image is for illustrative purposes only.
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MastercardはAIエージェントを活用した「Agent Pay」で、日本市場における本番環境での初取引を完了。三菱UFJニコス発行カードで銀座の送迎予約を実行した。





Mastercardは2026年5月20日、日本市場の本番環境(プロダクションサイト環境)において初となるエージェンティック取引を完了したと発表した。


AIエージェントが送迎を予約 仕組みと実施内容

今回の取引では、Evonetが提供するAIエージェント「Agenzo」が、送迎サービスプロバイダーのELifeを通じて銀座への移動に必要なライド予約を実行した。ELifeのタクシーおよび空港リムジンネットワークと接続されており、三菱UFJニコスが発行するMastercardカードのほか、複数のカード発行会社のMastercardカードを用いて実施された。

取引の認証には「Mastercard Payment Passkeys」によって保護されたトークン化クレデンシャルを使用し、本人確認とデータ保護を担保している。


Agent Payの技術的な仕組み

クレジットカードで買い物をするとき、通常はカード番号や有効期限を自分で入力し、本人確認を行う。Agent Payはこの一連の操作をAIエージェントが代わりに行う仕組みだ。

ただし、AIにカード番号をそのまま渡すのはセキュリティ上のリスクがある。そこでAgent Payでは、取引のたびにそのエージェント専用の使い捨てに近い「Agentic Token(エージェンティックトークン)」を発行し、実際のカード番号を一切使わずに決済を完了させる。鍵のコピーを渡す代わりに、特定のドアしか開かない一時的なカードキーを渡すイメージに近い。

また、AIが勝手に高額な買い物をしてしまうリスクへの対策として、「Mastercard Payment Passkeys」による本人確認が組み込まれている。事前にユーザーが設定した範囲内でのみAIは決済を実行でき、確認が必要な取引ではユーザーへの承認を求める仕組みだ。銀行口座の引き落としに上限額を設けるのと同じ発想といえる。


国内・アジア太平洋での展開

今回の日本での実施は、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランド、インドで実施された認証済みエージェンティック取引に続くものだ。今後の展開として、Mastercardはシンガポールに設置する地域AIセンター・オブ・エクセレンスを中核とし、日本を含むアジア太平洋地域で主要なLLMプロバイダーおよびAIエージェント事業者との連携を深める方針を示している。また、日本の金融機関や加盟店がエージェント主導型の決済へ移行できるよう支援する専門チームをアジア太平洋地域に展開するとしている。


 「AIが代わりに払う」が日常になる日

今回の取引が示すのは、AIエージェントによる決済がデモや実証実験の段階を超え、実際のサービス環境で動き始めたという事実だ。ユーザーが指示を出せばAIが予約から支払いまで完結させるという体験は、一部の人にとってはすでに現実のものとなっている。Mastercardはアジア太平洋各国での実績を着実に積み上げており、日本での本番稼働はその流れの一環だ。交通・旅行・小売など対応領域の拡大が進むなか、こうした「エージェンティック・コマース」がどこまでの範囲で普及するかが、今後の焦点となる。




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