AppleがMac StudioとMac miniの高メモリ構成を廃止
- 藤崎 翔太

- 12 時間前
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AppleがMac StudioとMac miniから高容量RAM構成を削除。AIサーバー需要によるDRAM不足が背景にある。
Apple専門メディアのMacworldおよびMacRumorsによると、AppleはMac StudioとMac miniの一部メモリ構成を米国・英国のオンラインストアから削除した。単なる在庫切れではなく、購入選択肢そのものが廃止された形だ。
削除された構成
M3 Ultra搭載Mac Studioは256GB RAM構成が廃止され、現在は96GBが上限となっている。M4 Pro搭載Mac miniは最大64GBの選択肢がなくなり48GBが上限に、標準M4搭載Mac miniは16GBと24GBのみの購入が可能で、32GBは選択できなくなった。いずれも「在庫切れ」ではなく選択肢から完全に削除されている。
さかのぼると、3月にはMac Studioの512GB RAMアップグレードオプションがすでに廃止されており、96GBから256GBへのアップグレード価格も1,600ドルから2,000ドルへ25%値上がりしていた。
AIサーバー需要が引き起こすDRAM不足
複数のITメディアの情報によると、2026年第1四半期のDRAMの契約価格は前四半期比で約90%上昇し、記録上最大の四半期上昇率となった。
AppleのUnified Memoryアーキテクチャは、ローカルAIモデルやエージェント型AIアプリケーションの実行に適しているとして注目が集まり、2026年初頭に需要が急増した結果、出荷期間が数日から数週間に延びる事態となった。
Appleのティム・クックCEOは2026年第2四半期の決算説明会で、「Mac miniとMac Studioは、AIおよびエージェント型ツールの優れたプラットフォームとして顧客に認識されており、その速度は予測を上回っている」と述べ、需要の見込み違いを認めた。また、今後数か月は供給と需要のバランスが取れない可能性があるとの見通しも示した。
他製品・価格への影響
先週にはMac miniの256GB SSDモデルが廃止され、512GBモデルが最小構成となった。これにより、Mac miniの実質的な最低価格は599ドルから799ドルに引き上げられた形となる。
MacBook Proの48GB以上のモデルでも1〜2週間の出荷遅延が発生しており、影響はデスクトップにとどまらない。
競合他社との比較
Appleはサプライヤーとのシェアやデマンドにおけるポジションの強さから、競合他社と比べてこの危機の影響を受けるのが遅かった。Windows系PCメーカーが価格引き上げを余儀なくされる中、Appleは供給確保において優位に立っている。状況が改善した際にも、Appleとそのユーザーは早期に恩恵を受ける側になるとみられている。
構成削除は「在庫切れ」ではなく「構造的な対応」
今回のメモリ構成廃止は、一時的な在庫不足への対処ではなく、メモリ市場の構造的な変化への恒久的な対応とみるべきだろう。AIインフラへの投資がDRAM供給を圧迫し続ける限り、高容量構成の復活や価格の正常化は見通しにくい状況だ。Appleが競合より影響を受けにくいのは事実だが、それでも選択肢の削減という形でユーザーへの影響は及んでいる。高メモリ構成のMacを必要とするユーザーは、今後しばらく選択の幅が狭い状態が続くことを想定しておく必要がある。



