Appleの新しいソフトウェアデザイン「Liquid Glass」とは？

藤崎翔太
6月10日
読了時間: 4分

更新日：9月1日

アプリとシステムの体験をより表現力豊かで楽しいものにしながら、すぐに親しみを感じさせる、美しい新たなソフトウェアデザイン

Appleは本日、プラットフォーム全体にわたるユニバーサルなデザイン「Liquid Glass」を発表した。

Liquid Glassとは

新デザインに作用された「Liquid Glass」。この半透明素材は、光を反射・屈折させながら表示内容に応じて変化し、コントロールやナビゲーション、アプリアイコン、ウィジェットに視覚的な効果を与える。iOS 26、iPadOS 26、macOS Tahoe 26、watchOS 26、tvOS 26の全プラットフォームで導入され、それぞれの特性を保ちながら一貫した体験を提供するとのことだ。特徴は以下の通り。

半透明の新素材で構成され、光の反射や屈折によって視覚的な変化を生み出す
ユーザーの操作やコンテンツに応じてダイナミックに変化する
コントロール、ナビゲーション、アイコン、ウィジェットなどのUI要素に適用される
iOS、iPadOS、macOS、watchOS、tvOS全体で導入されている
UIの層構造に用いられ、アプリ内の機能を視覚的に区分する役割を果たす
ロック画面では、時間表示が被写体の背景に溶け込むように表示される
ホーム画面やデスクトップでは、Dockやアイコン、ウィジェットが複数層のLiquid Glassで構成される
macOSでは、完全に透明なメニューバーとの組み合わせにより、表示領域を広く感じさせる
デベロッパはSwiftUI、UIKit、AppKitを通じてLiquid Glassを簡単に採用できる

UI再設計による操作性と視認性の向上

Appleのデザインチームは、コンテンツへの注目を高めることを目的に、各プラットフォームのUIを見直し、改善点を特定した。アプリ内のコントロール、ツールバー、ナビゲーションは再設計され、従来の長方形ベースの構成から、丸みを帯びた現在のハードウェアやアプリウインドウに合わせた形状に変更された。これにより、ハードウェア、ソフトウェア、コンテンツの統一感が向上する。コントロールはLiquid Glassで構成され、アプリ上層の機能レイヤーとして機能する。ユーザーの操作に応じて変化し、コンテンツの視認性を保ちながら必要なオプションや移動先を提示する。また、コントロールのグループ化により、必要な操作をより見つけやすくなっている。

タブバーとサイドバーは再設計された。iOS 26では、ユーザーがスクロールするとタブバーが縮小し、コンテンツを広く表示できる。一方で、ナビゲーションにはすぐにアクセスでき、再びスクロールするとタブバーが拡大する。iPadOSとmacOSでは、新しいサイドバーがApple TVのようなアプリで使用され、背後のコンテンツを屈折・反射させ、ユーザーが設定した壁紙との一体感を持たせている。これらのデザインは、カメラ、写真、Safari、FaceTime、Apple Music、Apple News、Apple Podcastなどのアプリに適用されている。

共通デザインで利便性や一体感が向上

新しいデザインは、iOS、iPadOS、macOS、watchOS、tvOSに採用され、ロック画面、ホーム画面、デスクトップ、Dockなどのシステム要素も更新される。ロック画面では、被写体に焦点を当てたまま背景に時間が表示される。時間はLiquid Glassで構成され、被写体の背景に合わせて配置される。

ホーム画面とデスクトップでは、Dock、アプリアイコン、ウィジェットが複数の層のLiquid Glassで構成される。反射ハイライトを用い、外観のカスタマイズが可能となる。macOS Tahoe 26では、ライトまたはダークの外観、複数の色調、透明なメニューバー、クリアな見た目のウィジェットやアプリアイコンにより、デスクトップやDockの外観を変更できる。