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【取材レポート】Lenovo、次世代ゲーミングPC「Legion Gen 10」シリーズを発表〜体験価値で差別化へ

  • 執筆者の写真: 藤崎 翔太
    藤崎 翔太
  • 6月18日
  • 読了時間: 6分

更新日:6月20日


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新製品「Legion Gen 10」シリーズ発表会で、Lenovoが語ったゲーミング戦略とは?冷却・静音・AI強化など体験重視の進化に注目




2025年6月、都内で開催されたレノボの新製品発表会にて、次世代ゲーミングPC「Lenovo Legion Gen 10シリーズ」が正式にお披露目された。本記事では、当日のプレゼンテーション内容を中心に、各登壇者が語ったレノボのゲーミング戦略や市場への想いをレポートする。

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ゲーミング市場の拡大を背景に、レノボが描く成長戦略(三島 達夫氏)

レノボ・ジャパン合同会社 コンシューマ事業部 コンシューマ製品戦略リードの三島氏は、同社のゲーミング戦略と製品展開について説明した。まず、世界的なゲーミング人口が2015年から2023年にかけて約30%増加しており、Lenovoもその成長に伴って支持を広げていると述べた。


現在、Lenovoは「不可能を超える」をテーマに、ゲーマーの挑戦を支えるブランド戦略を展開中であり、ゲーミングユーザーを以下の4タイプに分類している:ハイローラー(高性能機器に投資する層)、コンペティティブゲーマー(eスポーツ志向の層)、インマーストゲーマー(ゲーム世界への没入を重視)、アスパイアーゲーマー(これからゲームを始める層)。


同社は、これまでのPC単体提供にとどまらず、Legionブランドのエコシステム拡大を目指している。中心にはゲーミングノートやデスクトップPCがあり、それを取り巻く形で周辺機器やアクセサリー、ソフトウェア、AI活用技術などを統合。特に、冷却技術やAIパフォーマンス向上などの独自技術に注力し、快適なゲーミング体験を実現していくという。


今後は、ユーザーのニーズに応じた多様な製品ポートフォリオの強化と、統一されたユーザー体験の提供を通じて、Lenovo全体として「不可能を可能にする」ビジョンの実現を目指すと語った。

LenovoゲーミングPCのポートフォリオ
LenovoゲーミングPCのポートフォリオ


製品デモと設計思想の紹介(細川 秀夫氏)

レノボ・ジャパン合同会社 Consumer 事業部 Gaming PM 担当 Sr. Specialist の細川氏は、Lenovo Legion Gen 10シリーズの新製品について説明した。


まず、新製品のラインナップについて。Legion Proシリーズには、高性能なIntel CoreプロセッサーやNVIDIA GeForce RTX 50シリーズが搭載されている。特に、Legion Pro 7iは240Hzのリフレッシュレートに対応した16インチ有機ELディスプレイを、Legion Pro 5iは165Hzの有機ELディスプレイを搭載している。また、従来のLegionシリーズにはなかったグレイシャーホワイトのカラーリングを採用したLegion 7iや、ブラックカラーのLegion 5iも紹介された。さらに、ゲーミングPCでありながら見る角度によって色が変化する「Legion LOQ」シリーズも登場する。


次に、Legionシリーズの特徴的な機能について7つの項目を挙げた。


  1. Coldfront冷却システム

    各シリーズに合わせた冷却システムが採用されている。Legion Proシリーズでは、ベイパーチャンバーと統合型ハイパーチャンバー、トリプルファンデザインの大型ファンを組み合わせることで、パフォーマンス向上とノイズ軽減を実現している。これにより、従来の熱設計と比較して優れた冷却性能を発揮する。

  2. Lenovo AI Engine+

    2021年から開発を開始し、2022年には一部製品に搭載されていたAIエンジン。AIチップがシステムの制御を行い、パフォーマンスを効率化する。プレイヤーの好みに合わせてAIが自動で最適な設定をカスタマイズし、パフォーマンスを向上させる。スマートFPSやQコントロール機能などが含まれる。

  3. パフォーマンスモードの可視化

    ファンクションキーとQキーを同時に押すことで、パフォーマンス、バランス、静音、カスタムの4つのモードを切り替えられる。電源モードが可視化され、現在のモードを一目で確認できる。

  4. Lenovo Vantage

    ユーザーがCPUやGPUの電圧などを細かく調整できる、完全に自由なユーザーモード。ワンクリックでオーバークロックも可能で、レノボのサポートにより安心して利用できる。

  5. Legion Space

    電源モードの変更によるカラーリングの変化に加え、パフォーマンス設定の追加、有機ELディスプレイの焼き付き対策の一元管理、背面ロゴやキーボードのライティング調整などが可能になる。

  6. 有機ELディスプレイ

    16インチの有機ELディスプレイを搭載したモデルが登場。True Black 1000に対応し、より深く鮮やかな黒と明るい表現が可能となっている。15.1インチモデルはTrue Black 600に対応している。アダプティブリフレッシュレート機能により、動画視聴時は60Hz、ゲームプレイ時は160Hzなど、自動でリフレッシュレートを調整する。

  7. TrueStrikeキーボード

    1.5mmのキー移動距離とソフトランディング技術により、快適な打鍵感を実現。交換可能なキーキャップとスイッチにより、修理やカスタムも可能。画面の表示に合わせたライティング変化機能も搭載されている。


最後に、購入後も安心してゲームを楽しめるサポート体制として「Legion Ultimate Support (LUS)」を紹介した。これは24時間365日対応のゲームPC特化型サポートで、ゲームの設定からプレイのアドバイスまで、ゲームに精通したスタッフが対応してくれるという。

Legionシリーズの特徴的な機能
Legionシリーズの特徴的な機能


インテル上野氏による協業の裏側と将来展望

インテル株式会社マーケティング本部長の上野翔子氏は、モバイルゲーミングPC向けの「Core Ultra 200HX」シリーズについて説明した。高性能とバッテリー寿命の両立が特徴で、発熱も抑えられており長時間の使用に適している。また、AI処理に特化した設計で、CPU・GPU・NPUが連携し効率的なAI処理が可能だとした。多様な接続性も備え、周辺機器との連携も容易だという。ゲーミング性能も前世代から進化し、ゲームだけでなく動画編集や配信、イラスト制作などクリエイティブ用途にも強みを持つと述べた。インテルはゲームを「普通のPC体験」にすることを目指し、レノボなどと連携した取り組みも進行中。また、クリエイター支援として「インテルブルーカーペット」コミュニティを紹介し、今後もPCの多様な可能性を広げていく姿勢を示した。

ゲストセッションで登壇したインテル上野氏
ゲストセッションで登壇したインテル上野氏


スペックだけではない“体験”に重点を置いた新シリーズ

今回のレノボ発表会を通じて印象的だったのは、「体験価値」に対する強い意識だ。冷却性や静音性といった機能的な改善にとどまらず、ユーザーのライフスタイル全体を見据えた設計が随所に感じられた。

新しい「Lenovo Legion Gen 10シリーズ」は、単なるパワーの象徴ではなく、ゲームを起点にした豊かなPC体験を提供する1台として、注目に値する存在である。

左からレノボ三島氏、インテル上野氏、レノボ細川氏
左からレノボ三島氏、インテル上野氏、レノボ細川氏
プレゼン後は基盤を触りながら自由に質問ができた
プレゼン後は基盤を触りながら自由に質問ができた


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