ネット銀行、企業のメインバンクに台頭 法人取引社数は10年で6倍に
- 桜井 未来

- 6 日前
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帝国データバンク調査で判明、楽天銀行・PayPay銀行などが企業金融で存在感
ネット銀行の法人取引が拡大している。帝国データバンクの2025年「全国メインバンク動向調査」によると、ネット銀行をメインバンクとする企業は5,429社となり、2015年比で約6.5倍に増加した。企業金融では、メガバンクや地方銀行が主流だった従来の構図に変化が表れ始めている。
ネット銀行が企業のメインバンクとして選ばれる割合は全国で0.36%と依然として少数派だが、前年比では0.08ポイント上昇した。増加ペースはメガバンクや地方銀行を上回っており、構成比以上に成長スピードが注目されている。

既存銀行からの乗り換えと新規流入
2024年調査から2025年調査にかけて、メインバンクをネット銀行へ変更した企業は170社確認された。流入元はメガバンクが最多で、地方銀行、信用金庫が続く。規模は限定的ながら、既存の金融機関が強みとしてきた法人分野にネット銀行が攻勢をかける構図が浮かび上がる。一方で、全体の増加数と比べると乗り換えは少なく、新たに創業した企業が当初からネット銀行を選択する動きが中心となっている。

上位4行に集中する法人需要
法人向けネット銀行市場は、楽天銀行、PayPay銀行、GMOあおぞらネット銀行、住信SBIネット銀行の4行にほぼ集約されている。楽天銀行は1,521社で最多となり、これら4行でネット銀行をメインバンクとする企業の約99%を占める。なかでもGMOあおぞらネット銀行は取引社数を大きく伸ばしており、中小企業やスタートアップ、IT企業を中心に支持を広げている点が特徴だ。

サブバンク需要と法人口座の広がり
ネット銀行の活用は、メインバンクにとどまらない。サブバンクとして法人口座を開設する中小企業も増えており、主要なネット銀行10行のいずれかを取引金融機関として利用する企業は、2025年時点で1万6,037社に達した。2015年からは約4.6倍の増加となる。決済手数料や基本利用料の低さに加え、決算書不要の少額融資サービスなどを背景に、決済用口座を必要とする企業や、多くの資金を必要としない新興企業を中心に口座開設が進んでいる。
拡大する「ネット銀行経済圏」
足元では、ポイント連動や特典付与などを組み合わせた「ネット銀行経済圏」の拡大が進んでいる。銀行単体ではなく、グループ内サービスと連携することで、法人取引の裾野を広げる動きが目立つ。象徴的なのがNTTドコモだ。同社は2025年10月に住信SBIネット銀行を連結子会社化し、新ブランド「d NEOBANK」を導入するとともに、2026年8月3日付で商号を「ドコモSMTBネット銀行」に変更することを発表した。dポイント経済圏との連携を軸に、グループ横断での金融サービス展開を進めており、こうした動きにより、中小企業やスタートアップを中心にネット銀行の存在感は今後さらに高まるとみられる。
参照サイト
株式会社帝国データバンク レポート
全国「メインバンク」動向調査(2025年)


