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Apple、2026年6月期決算 増収増益も先行き警戒

  • 執筆者の写真: 藤崎 翔太
    藤崎 翔太
  • 1 時間前
  • 読了時間: 5分

Image is for illustrative purposes only.
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iPhoneとMacが牽引し売上高は過去最高を更新したが、サービス事業は市場予想に届かず、次期見通しも市場予想を下回った。





Appleは現地時間7月30日、2026年6月27日を最終日とする2026会計年度第3四半期の業績を発表した。売上高は1,094億ドルで前年同期比16%増となり、4〜6月期として過去最高を記録した。iPhone、Mac、サービスの各事業に加え、すべての地域セグメントで2桁増収を達成した。決算発表のカンファレンスコールは米国西部時間14時00分、日本時間では7月31日6時00分から実施された。


増収増益、iPhoneとMacが記録更新

売上総利益率は50.1%で、関税還付による約2ポイントの押し上げ効果を含む。希薄化後1株当たり利益(EPS)は2.02ドルで前年比29%増となり、こちらにも関税還付による0.11ドルの押し上げ効果が含まれている。純利益は298億ドルで、前年同期の234億ドルから27%増加した。営業キャッシュフローも344億ドルと前年比23%程度増加している。

事業別では、iPhone事業の売上高が542.5億ドルとなり、前年同期比で22%近く増加して過去最高を更新した。市場予想の538.6億ドルも上回った。Mac事業も売上高103.5億ドルと前年比29%近く伸び、市場予想の87.4億ドルを大きく上回る好調ぶりを見せた。一方でiPad事業は売上高61.9億ドルで前年同期比6%近く減少し、市場予想の69.2億ドルにも届かなかった。ウェアラブル事業は78.8億ドルで、市場予想の78.2億ドルをわずかに上回った。

事業区分

売上高

前年同期比

市場予想との比較

iPhone

542.5億ドル

約22%増

予想を上回る

Mac

103.5億ドル

約29%増

予想を大きく上回る

iPad

61.9億ドル

約6%減

予想を下回る

ウェアラブル

78.8億ドル

予想をわずかに上回る

サービス

307.4億ドル

約12%増

予想を下回る


サービス事業は増収も市場予想に届かず

サービス事業の売上高は307.4億ドルで前年同期比12%増となり、この事業単体としても過去最高を更新した。ただし市場予想の312.2億ドルには届かなかった。要因として為替の逆風が影響したとされる。広告、App Store、AppleCareの保証サービス、音楽、動画、クラウドサービス、決済サービスなどが成長を牽引したという。有料サブスクリプションの総数は15億件に達したとしている。


地域別では中国が市場予想を下回る

地域別では、すべてのセグメントで増収となった。なかでも欧州の伸びが最も大きく、四半期全体の増収額154億ドルのうち54億ドル、比率にして35%を欧州が占めた。一方、大中華圏(中国本土・香港・台湾)の売上高は188億ドルにとどまり、市場予想の195億ドル前後を下回る結果となった。


配当と経営体制の転換

取締役会は1株当たり0.27ドルの現金配当を宣言した。対象となるのは2026年8月10日時点の株主で、支払いは8月13日に行われる。

なお、今回の決算は現CEOのティム・クック氏にとって最後の四半期決算となる。65歳を迎えるクック氏は9月1日付でハードウェアエンジニアリング担当のジョン・ターナス氏にCEOの座を譲る予定であり、Appleにとって経営体制の大きな転換点となる。


供給制約で次期見通しは市場予想を下回り、株価下落

Appleは次四半期(9月期)の売上高について、前年同期比9〜11%の伸びになるとの見通しを示した。市場予想の12%成長には届かない水準である。CFOのケバン・パレク氏は、メモリー(DRAM)価格の高騰や先端プロセスの供給余力の乏しさなど、サプライチェーン上の制約が要因になっていると説明した。iPhone、iPad、Macの各製品が影響を受けるとしている。iPhone単体では9月期に前年同期比で10%台半ばの伸びを見込むものの、為替が前四半期比で2.5ポイント程度のマイナス要因になるという。

Mac事業では、すでに一部の大容量メモリー搭載構成のMac Studioが販売終了となっており、この状況はしばらく続く見通しだという。

この見通しを受けて、決算発表後の時間外取引でApple株は一時6%超下落し、翌日の取引開始前にはさらに下落幅が拡大する場面もあった。メモリー価格の高騰をめぐっては、主要サプライヤー3社が供給を意図的に絞り込んで価格をつり上げたとする集団訴訟が2026年6月にカリフォルニア州で起こされており、クック氏は決算説明会で調達先の分散を進める方針に言及した。


日本市場への影響

決算内容が示す供給制約の影響は日本の消費者にも及ぶ可能性がある。Appleはメモリー価格上昇を理由に、2026年6月の時点ですでにMacとiPadの価格を最大300ドル相当引き上げている。この価格改定は日本国内の製品価格にも反映済みである。加えて、9月に発売が見込まれる新型iPhone(iPhone 18シリーズ)についても、現行モデルより高い価格設定になる可能性が指摘されている。日本での具体的な価格や発売日は、例年どおり9月の製品発表を経て明らかになる見通しだ。


まとめ 好決算の裏にある転換点

数字だけを見れば、Appleの2026年6月期決算は売上・利益ともに四半期として記録的な内容だった。iPhoneとMacの好調さは、ここ数年の停滞感を払拭するものと言える。しかし市場が注目したのは、サービス事業の伸び悩みと、供給制約を理由とした慎重な次期見通しだった。株価が決算直後に下落したのは、記録的な数字そのものよりも、その先にある不透明感が意識された結果だろう。

さらに、この決算はクック氏が率いる最後の四半期という節目でもある。好調な業績を新体制に引き継げるかどうかは、メモリー価格やサプライチェーンという外部要因への対応力にかかっている。ここ数年主力製品の値上げが続いてきたことを踏まえると、次のiPhone発表でどのような価格戦略を取るかが、消費者にとって最も具体的な関心事になりそうだ。


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