Apple、メモリー不足で製品値上げへ AI需要拡大が影響
- 藤崎 翔太

- 6月18日
- 読了時間: 3分

Appleのティム・クックCEOは、AI向け需要の急増によるメモリー不足を受け、製品価格の引き上げが避けられないとの見通しを示した。
米経済紙のThe Wall Street Journalによると、Appleのティム・クックCEOは、世界的なメモリーおよびストレージ半導体の供給不足と価格高騰を受け、同社製品の値上げを実施する方針を明らかにした。背景には、AI向けデータセンターの拡大による半導体需要の急増がある。
AI需要がメモリー市場を圧迫
クックCEOによると、AI向けサーバーで利用される高帯域幅メモリー(HBM)の需要が急増しており、半導体メーカーは生産能力をAI向け製品へ優先的に振り向けている。その結果、スマートフォンやPCなどの民生機器向けDRAMやNANDフラッシュメモリーの供給が逼迫し、価格が上昇している。
Appleはこれまで部材価格の上昇分を自社で吸収してきたが、クックCEOは現在の状況を継続できないと説明した。価格改定の時期や対象製品、値上げ幅については明らかにしていない。
iPhoneやMacへの影響も
Wall Street Journalは、今後登場する製品群への影響が予想されると報じている。特にMacやiPadでは比較的早い段階で価格改定が行われる可能性があるという。
また、調査会社TechInsightsの試算として、メモリー価格上昇が続いた場合、次期iPhone Proモデルの製造コストが大幅に増加し、利益率を維持するためには販売価格が上昇する可能性があると報じられている。ただし、Appleは具体的な価格計画を公表していない。
供給確保へ資金投入も検討
クックCEOは、Appleが豊富な資金力を活用して供給安定化を支援する考えを示した。一方で、自社でメモリー工場を建設したり、メモリー半導体事業へ参入したりする計画は否定した。
Appleは2026年初頭からメモリーコスト上昇への警戒感を示しており、在庫の活用などで影響を抑えてきたが、在庫の減少に伴いコスト負担が増していると説明している。
AI投資拡大が消費者向け製品にも波及
今回の発表は、AI向けインフラ投資の拡大がスマートフォンやPCなどの消費者向け製品の価格にも影響を及ぼし始めたことを示している。メモリー市場ではデータセンター向け需要が優先される状況が続いており、Appleだけでなく他のハードウェアメーカーにも同様のコスト圧力が広がる可能性がある。今後は各社が価格転嫁を進めるのか、それとも利益率の低下を受け入れるのかが注目される。
(Source:The Wall Street Journal)




