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アップルとインテルがチップ製造契約に合意、インテル株が一時急騰

  • 執筆者の写真: 藤崎 翔太
    藤崎 翔太
  • 1 日前
  • 読了時間: 3分

Image is for illustrative purposes only.
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アップルとインテルが一部チップの製造委託で暫定合意。インテル株は報道当日に一時15〜19%急騰し、年初来でおよそ3倍の水準となっている。




半導体業界に関する情報を継続的に報じるThe Wall Street Journal(以下、WSJ)の報道によると、アップルとインテルはアップル製デバイス向けチップの一部をインテルが製造する暫定的な契約に合意した。これを受け、5月8日のインテル株は一時15〜19%上昇した。


合意の概要

両社は1年以上にわたって協議を続けており、数か月前に正式な取り決めをまとめた。複数メディアによると、インテルはアップルのチップ設計に基づき、TSMCと同様の受託製造者としてチップを生産する形になる見込みだ。なお、どのアップル製品向けのチップをインテルが製造するかは現時点では不明とされている。


米政府の関与とインテル再建の動き

WSJの報道によれば、昨年インテルの最大株主となった米国政府が、アップルを交渉のテーブルに引き出す上で重要な役割を果たした。トランプ大統領がホワイトハウスでの会談でティム・クックにインテルを推薦したことも伝えられている。また、ある政府当局者は「インテルへの支援は株式保有が理由ではなく、同社が米国の主要半導体メーカーだからだ」と述べており、インテルへの受注獲得支援を行ってきたことを認めている。インテルはこの1年でNvidiaから50億ドルの出資を受けるなど、CEO・リップブータン氏のもとで再建を進めてきた。


アップルにとっての意味―TSMCへの依存からの分散

アップルがインテルと契約することで製造能力の分散が実現し、TSMCでの逼迫したキャパシティへの依存を緩和できる可能性がある。ティム・クックCEOは直近の決算説明会で、iPhoneの販売がTSMCの供給制約によって抑制されていたと述べていた。また、インテルとの契約は、米国政府の一部出資を受けるインテルを通じて、アップルの米国政府との関係構築にも寄与する可能性がある。


今後の見通し

過去の報道では、インテルがエントリー向けのAシリーズおよびMシリーズチップを中心に製造を担う見込みで、早ければ2027年後半に登場するMacBook ProやiPad Pro向けのM7チップ、また2027年のiPhone向けA21チップが対象になる可能性が示されていた。ただし、これらはあくまで暫定合意の段階であり、詳細は明らかになっていない。


半導体地図の「再編」が始まった

今回の合意が示すのは、単なる企業間の取引にとどまらない構造変化だ。アップルは2020年にインテル製プロセッサからAppleシリコンへ移行して以降、TSMCとの関係を深めてきた。しかしTSMCへの集中はAI需要の拡大とともに供給リスクに転じており、アップルは製造基盤の分散を迫られている。インテルにとっては、世界最大の消費者向け電子機器メーカーからの受注という「信頼の証明」が、受託製造事業の再建に直結する。米国政府を巻き込んだ三者の利害が重なったこの合意は、今後の半導体産業の主導権争いにおける重要な転換点となりうる。


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