Apple、日本のiOSに代替ストアと決済選択肢導入へ
- 藤崎 翔太
- 12月18日
- 読了時間: 3分

スマホ新法に対応し、iOSで代替アプリ配信や決済の選択肢を拡充。安全性対策も強化。
Appleは2025年12月17日、スマートフォンソフトウェア競争促進法(MSCA)への対応として、日本国内で提供するiOSアプリに関する大幅な変更を発表した。これにより開発者はApp Store以外のアプリ配信や決済処理の選択肢を得ることが可能になる。Appleは同時に新法によって生じるリスクへの対策にも注力すると説明している。
代替アプリマーケットプレイスの導入
今回の変更で最も注目されるのは、App Store以外の代替アプリマーケットプレイスの利用が可能になる点だ。従来、iPhone向けアプリはApp Storeを通じた配信が原則だったが、MSCAの要件により、Apple認証のもとで他のアプリストアからの配信が選択肢として加わる。これは競争環境を広げる狙いがある。
しかし、App Store外から配信されるアプリは、Appleの厳格な審査プロセスが適用されないため、ユーザー保護の観点から新たなリスクも指摘される。Appleはこうした懸念に対応するため、公証(notarization)などの基本的なセキュリティチェックを実施する方針だ。
決済処理の選択肢拡大
新ルールの下でアプリ内決済の処理方法も多様化する。これまではAppleのアプリ内購入(IAP)が主流だったが、デベロッパーは代替決済や外部決済リンクをアプリ内に組み込むことが可能になる。
利用者側では、AppleのIAPと代替決済の両方が提示され、どちらを選ぶか明確に認識できる形になるとしている。一方で、外部決済を選んだ場合、返金やサポートなど一部Appleの保護が利用できない点には注意が必要だ。
手数料体系の見直しと新条件
Appleは日本向けにiOSアプリの取引条件のアップデートも公表した。App Storeでの手数料率やコアテクノロジー手数料(CTC)などが新たに設定され、デベロッパーの負担も見直されている。これにより、一部のケースでAppleに支払う手数料が従来よりも軽減される可能性があるという。
子どもの安全とプライバシー対策
Appleは、代替配信や決済の拡大が子ども向けコンテンツやプライバシーに与える影響にも配慮する。保護者の関与を必要とする制限機能の強化や、年齢制限の維持など安全対策を強調している。これは新法対応と同時に、プラットフォームとしての安全性を確保する狙いがある。
ブラウザ・検索エンジン選択の自由
さらに、iOS上でブラウザや検索エンジンの選択画面が導入される。ユーザーは初期設定時に好みのブラウザ・検索エンジンを選べるようになり、競争環境のさらなる促進につながると見られている。
まとめ
Appleの今回の発表は、日本のスマホ新法に対応した大規模なOS側の制度変更だ。App Store以外でのアプリ配信や決済処理が可能になることで、開発者の選択肢は確実に広がる。一方、プラットフォームとしての安全性確保という壁も残る。Appleはセキュリティチェックや保護者向け機能の強化で対応する構えだが、競争促進と安全性の両立という難題に向き合う日本市場の一大実験でもある。標準化や他国への波及の行方も含め、今後の動きが注目される。