top of page

住信SBIネット銀行、勘定系システムをAWSクラウドへ全面移行

  • 執筆者の写真: 桜井 未来
    桜井 未来
  • 9月19日
  • 読了時間: 2分

住信SBIネット銀行、勘定系システムをAWSクラウドへ全面移行
image : 住信SBIネット銀行


3,000万口座対応の次世代基盤を構築、業界全体で広がる銀行クラウド化の潮流


 住信SBIネット銀行は9月18日、2028年初頭を目標とする勘定系システムのクラウド移行計画を発表した。新しいアーキテクチャを導入することで、将来的に3,000万口座以上の大規模データ処理に対応可能な基盤を整備し、拡張性や効率性の向上も目指す。具体的には、日本IBMが提供するオープン系勘定系システム「NEFSS」を進化させ、Amazon Web Services(AWS)上に全面移行する。


デジタルバンクとしての取り組み

 住信SBIネット銀行は2007年9月の営業開始以来、オンラインで完結できる預金・決済・融資サービスなど、フルバンキング機能を活用したデジタルサービスの提供に注力してきた。利便性や安全性、ユーザー体験の向上に取り組んだ結果、口座数は825万件(2025年3月末)を超え、預金総残高も11兆円(2025年8月4日時点)に達している。


コスト削減と信頼性の向上

 今回の移行により、約30%の運用コスト削減が見込まれるほか、システムの安定性・可用性・柔軟性も向上する。さらに、開発や運用のスピードが向上し、障害時の切り替えや災害対応など、レジリエンス(回復力)の強化も期待される。AWSの東京・大阪リージョンを活用したマルチリージョン構成により、住信SBIネット銀行の主要システムは順次クラウド上に集約される予定だ。


業界全体で広がる勘定系クラウド化

 勘定系システムのクラウド化は銀行業界全体で進行している。ソニー銀行は2025年に勘定系を含む全システムをAWS上に移行。みんなの銀行は設立当初からGoogle Cloud上に勘定系を構築し、フルクラウド型銀行としてサービスを展開している。また、北國銀行は次期コアバンキングシステムをMicrosoft AzureとGoogle Cloudのマルチクラウド環境で運用する方針を発表している。こうした事例は、クラウド化が単なる試行ではなく、主要銀行システムの標準的選択肢として定着しつつあることを示している。


 銀行業界における勘定系システムのクラウド化は、規模や構成、クラウドベンダーの違いはあれど確実に進んでおり、各行がコスト削減や業務効率化、可用性向上を目指して次世代基盤の構築を加速させている。



参照サイト

住信SBIネット銀行株式会社 プレスリリース

住信SBIネット銀行、勘定系システムをクラウドへ さらなる成長に向け拡張性・効率性を向上



TAGs


bottom of page