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Liquidとセブン銀行、ATMで本人確認連携へ基本合意

執筆者の写真: 藤崎 翔太
藤崎 翔太
7月14日
読了時間: 3分


Liquidとセブン銀行が、全国28,000台超のATMを使ったeKYC本人確認で基本合意。2027年12月ごろの提供開始を目指す。





ELEMENTSグループの株式会社Liquidは、株式会社セブン銀行との間で、オンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」とセブン銀行ATMを連携させる基本合意を締結したと発表した。全国に28,000台以上あるセブン銀行ATMを、LIQUID eKYC導入企業の本人確認チャネルとして活用する取り組みで、eKYCとATMを本格的に連携させる事例は国内初としている(セブン銀行調べ)。サービス開始は2027年12月ごろを目指す。


提携の背景

LIQUID eKYCは、運転免許証やマイナンバーカードの撮影またはICチップ読み取りと、自撮り顔写真の照合によって本人確認をオンラインで完結させるサービスである。公的個人認証(JPKI)を用いた方式にも対応している。

一方セブン銀行は、「+Connect」と呼ぶサービス群のひとつとして、対面が必要だった各種手続きをATMで原則24時間365日行える「ATM窓口」を提供しており、現在は金融機関を中心に約30社が利用している。

背景にあるのは、2027年4月に予定される犯罪収益移転防止法改正である。改正後は銀行口座開設や携帯電話契約の際、マイナンバーカードなどのICチップ読み取りが原則義務化される。ICチップ読み取りができない場合は住民票による確認も認められるが、取得や郵送の手続きが煩雑でユーザー・事業者双方の負担になるとみられている。

Liquid社の調査によれば、Androidの一部機種ではICチップ読み取りエラーが発生する割合が約6%あり、読み取り工程全体での離脱率は1割程度にのぼるという。特に在留外国人については、保有する機種によってはエラー率が約3割に達するとしている。今回の連携は、こうしたオンラインでの本人確認が難しいユーザーの受け皿を用意することを狙いとしている。


連携の仕組み

ユーザーはLIQUID eKYC導入企業のサービスに申し込む際、スマートフォン上で生成されるATM本人確認用のQRコードをセブン銀行ATMにかざす。ATMのカメラとリーダーを使い、ICチップの読み取りと顔写真の撮影を行うことで本人確認が完了する仕組みである。

ATMで実施した確認結果はLIQUID eKYC経由で導入企業に連携され、オンラインで行った確認情報と合わせて一元的に管理できるという。

セブン銀行は2026年6月からファミリーマート店舗へのATM設置も進めており、今後は稼働台数がさらに拡大する見通しとされる。




今後の展開

サービス開始は2027年12月ごろを予定している。原則24時間365日利用でき、全国のセブン-イレブン、ヨークマート、駅、空港などに設置された28,000台以上のセブン銀行ATMで展開する計画である。料金体系については現時点で明らかにされていない。


本人確認の厳格化が生んだ新たな接点

2027年4月の犯罪収益移転防止法改正でICチップ読み取りが原則義務化されることは、事業者にとって本人確認の運用コストを押し上げる要因になりかねない。ICチップ読み取りに対応しづらい端末を持つユーザーや、在留外国人など、これまでオンライン完結が難しかった層への対応が課題として浮上していたなかで、全国に張り巡らされたセブン銀行のATM網を「もう一つの本人確認窓口」として使う発想は、既存インフラの転用という点で合理的な選択といえる。今後は、実際にどれだけの導入企業がこのATM経由の確認手段を採用するか、また手数料体系がどう設計されるかが、普及の鍵を握りそうだ。




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