Comet AIブラウザが無料提供開始、全世界で利用可能
- 桜井 未来

- 10月3日
- 読了時間: 2分

Chrom対抗 - Perplexityの次世代ブラウザで選択テキストの要約や自動タスクが可能に
米Perplexityは現地時間10月2日、AIブラウザ「Comet」を全世界のユーザー向けに無償で提供開始すると発表した。これまで特定プラン限定で提供されていたCometを、地域を問わず誰でも利用できるよう拡大した形だ。
Cometは、ウェブ閲覧中にユーザーの操作を理解し、選択テキストの要約や解説、旅行や買い物の比較、メールの要約などの自動タスクを実行できる“エージェント型ブラウザ”である。ユーザーはブラウジング中に自然言語で指示を出すことができる点が特徴だ。ただし、無償版には使用頻度に応じたレート制限が設けられており、ヘビーユーザーには制限の影響が無視できない可能性がある。
無償提供開始と同時に、有料機能「Comet Plus」も提供される。Comet Plusは月額5ドルで利用でき、Pro/Maxプランの加入者には追加料金なしで付帯する。Comet Plusでは、高品質な報道記事へのアクセスが可能で、AIの回答に信頼性のある裏付けを提供する文脈情報として機能する。ローンチ時点でComet Plusと連携する出版社にはCNNやThe Washington Postなど大手メディアが名を連ね、これらのコンテンツはComet内で参照可能となる。出版社への収益分配は、AIと人間双方の利用、信頼性、質に基づく仕組みとなっている。
Cometの登場は、検索とブラウジングの関係を根本から変える可能性を持つ。Google Chromeが「ウェブページを表示する場所」として標準を築いてきたのに対し、Cometは「表示」と「思考支援」を不可分に結びつけることで差別化を図っている。ユーザーは検索エンジンにキーワードを入力するのではなく、ページを見ながらAIに直接質問できる。結果として、検索経由の広告モデルに依存するChrome/Googleの生態系とは異なる収益構造を目指すことになる。
Perplexityが掲げる「ブラウジングから思考へ」というスローガンは、Chromeの支配的地位に挑む宣言でもある。世界的に最も利用されるブラウザと正面から競合することで、AI主導の新しいウェブ体験を市場に定着させられるかが、今後の大きな焦点となるだろう。
参照サイト
Perplexityチーム ブログ
The Internet is Better on Comet
Perplexityチーム ブログ
Announcing Comet Plus Launch Partners

