アップル、新Mac StudioにM5 Ultra搭載 AI性能最大4.3倍に
- 藤崎 翔太

- 2 時間前
- 読了時間: 4分

アップルが新型Mac Studioを発表した。M5 MaxとM5 Ultraを搭載し、AI処理性能を大幅に強化。日本では9月22日発売、価格は41万9800円から。
アップルは8月25日(現地時間)、デスクトップ型Mac「Mac Studio」の新モデルを発表した。搭載チップはM5 Maxと、新たに投入されたM5 Ultraの2種類。前モデルはM4 MaxとM3 Ultraの組み合わせだったが、今回はどちらも最新のM5世代に統一された。予約受付は発表と同日に始まっており、日本を含む30の国と地域が対象となっている。
AI処理性能が大幅に向上
今回の刷新で最も強調されているのがAI処理性能の伸びだ。M5 Ultraを搭載したMac Studioは、AI演算のピーク性能が前世代のM3 Ultra比で最大4.3倍に達するとされる。GPUの各コアにニューラルアクセラレータを内蔵したことが主な要因で、行列演算の処理速度が大きく引き上げられた。M5 Maxについても、前世代比で最大3.9倍のAI性能向上が示されている。
ユニファイドメモリは最大512GBまで拡張可能で、メモリ帯域幅は1.2TB/秒と、前世代から50%向上した。大規模な言語モデルを端末単体で動かせる容量を備えており、クラウドを介さずにプライバシーを保ったまま処理できる点がアピールされている。さらにThunderbolt 5とRDMA(リモートダイレクトメモリアクセス)を使い、複数台のMac Studioを連携させることも可能で、4台構成では単体と比べて最大3倍のAI推論速度が得られるという。

Mac Studio(M5 Max)の仕様
M5 Maxモデルは、コンパクトな筐体で高い処理性能を求めるクリエイターや開発者を主な対象としている。18コアCPUと最大40コアGPUを備え、GPU性能は前世代から最大50%向上した。第3世代のハードウェアレイトレーシングにも対応し、3DやVFX制作での描写がより滑らかになるとしている。
項目 | M5 Max |
CPU | 18コア(性能コア12+高効率コア6) |
GPU | 最大40コア |
ユニファイドメモリ | 最大128GB |
メモリ帯域幅 | 最大614GB/秒 |

Mac Studio(M5 Ultra)の仕様
M5 Ultraは、M5 Maxのダイを2つ組み合わせた構造を持つ新チップで、アップルのUltraFusion技術によって4つのダイを1つのプロセッサとして扱う仕組みになっている。GPUにニューラルアクセラレータが搭載されるのはUltra系として初めてで、映像編集やAIモデルの学習など、極めて負荷の高い処理を想定した構成となっている。8Kの ProRes 422映像を最大33ストリーム同時再生できる性能も備える。
項目 | M5 Ultra |
CPU | 最大36コア(性能コア24+高効率コア12) |
GPU | 最大80コア |
ユニファイドメモリ | 最大512GB |
メモリ帯域幅 | 最大1.2TB/秒 |
ストレージと接続性も刷新
ストレージは新設計のPCIe Gen 6アーキテクチャを採用し、読み書き速度が前世代の最大2倍に高速化された。またThunderbolt 5ポートにより最大120Gb/秒の転送速度を実現しているほか、Mac Studioとしては初めてWi-Fi 7とBluetooth 6にも対応した。ディスプレイは最大8台、Studio Display XDRなら5K・120Hzで最大4台まで接続できる。
新型Mac StudioはこのあとリリースされるmacOS 27にも対応する予定で、新しいSiri AIやApple Intelligence機能が利用可能になる見込みだ。

価格と発売日、日本での取り扱い
新型Mac Studioは8月25日から予約注文の受付が始まっており、9月22日から順次出荷される。512GBメモリ構成のみ発売が遅れ、提供開始は10月下旬となる予定だ。
日本での価格は以下の通り。
モデル | 日本価格(税込) |
Mac Studio(M5 Max) | 41万9800円から |
Mac Studio(M5 Ultra) | 94万9800円から |
M5 Maxモデルの価格は前モデルからの据え置きとなった一方、M5 Ultraモデルは前モデルより価格が上がった。またメモリ構成の選択肢も拡大しており、これまで36GBから96GBまでの3段階だった構成が、36GB・48GB・64GB・96GB・128GB・256GBの6段階に広がっている。
ローカルAI時代のプロ向け機材としての位置づけ
今回のMac Studo刷新は、クラウドに依存せず端末上で大規模なAIモデルを動かす「ローカルAI」の流れを強く意識した内容といえる。メモリ容量とAI演算性能を大きく引き上げたことで、映像・音楽制作といった従来のプロ向け用途に加え、AI開発者や研究者を新たな顧客層として取り込む狙いがうかがえる。複数台を連携させてAI推論を分散処理できる機能も、企業や研究機関での導入を意識したものだろう。
一方で、日本におけるM5 Ultraモデルの価格上昇は、為替や部材コストの影響を受けやすいプロ向け機材の価格動向を示す一例ともいえる。高性能化と価格上昇が並行して進む中、どの程度のユーザー層がこの投資に見合う価値を見出すかが、今後の販売動向を占う焦点になりそうだ。




