Apple Intelligence、秋に向け大幅刷新 写真編集やSafariにAI統合
- 藤崎 翔太

- 6月9日
- 読了時間: 5分

AppleはWWDC 2026でApple Intelligenceの次世代版を発表。写真のリアル編集、Safariのタブ整理、パスワード自動更新など多機能を追加し、秋のiOS 27に搭載予定。
Apple Intelligenceが秋に大幅刷新、写真・Safari・パスワードなどAI機能を強化
Appleは6月8日(日本時間)、WWDC 2026の基調講演で次世代のApple Intelligenceを発表した。Googleとの協業で開発した新しいApple Foundation Modelを搭載し、写真編集、Safariでのブラウジング支援、パスワード管理、画像生成など幅広い領域でAI機能が強化される。これらの機能は開発者向けベータとして同日から提供が始まり、秋にiOS 27、iPadOS 27、macOS 27などの正式版として一般提供される予定だ。
写真アプリに「空間リフレーム」と「画像を拡張」
写真アプリには撮影後に構図を変更できる「空間リフレーム」が追加された。Apple Vision Proの空間モデリング技術をベースに、ドラッグ操作で視点を変更すると、変化した部分だけが新たに生成される仕組みだ。
「画像を拡張」ツールでは、フレームからはみ出た被写体への対処や、傾いた水平線の修正、アスペクト比の変更が可能になる。また「クリーンアップ」ツールも刷新され、複雑な背景でも高精度で不要物を除去できるようになった。Apple Intelligenceで加工された写真には、自動的に非表示のSynthIDウォーターマークが挿入される。
SafariがAIでタブ整理と自動監視に対応
SafariはAIを使ってタブを関連トピックごとに自動整理する。例えば旅行計画に関連するタブは一つのグループにまとめられ、新たに開いたタブも継続的に分類される。
「通知を受け取る」機能では、特定のウェブページを継続的に監視し、商品の再入荷や価格変動などの変化があった際に通知が届く。個人のブラウジングデータはAppleを含む第三者に開示されない設計だ。
パスワードアプリには、脆弱なパスワードや流出済みのパスワードを一括で強力なものに自動変更する機能が加わった。SafariとApple Intelligenceが連携し、対象サイトへのサインインから更新までを自律的に処理する。
「機能拡張を説明」では、自然言語での説明だけでカスタムのSafari拡張機能を生成できる。

Image Playgroundがフォトリアル画像の生成に対応
Image Playgroundは大幅に刷新され、写真と見分けがつかないほどリアルな画像生成が可能になった。処理はプライベートクラウドコンピューティング上で実行される。ユーザーは変更内容を言葉で説明するか、対象物をタップ・ブラシ・囲みなどで選択して直感的に編集できる。生成した画像はロック画面の壁紙や連絡先ポスターとしても使用でき、アスペクト比の選択にも対応した。
通話・メッセージ・カレンダーの連携も強化
電話アプリでは「通話コンテキスト」機能が追加され、企業への電話中にメール内の確認番号や予約番号が画面に自動表示される。処理はデバイス上でのみ完結するため、通話内容は外部に送信されない。

メッセージアプリでは会話の流れにもとづいてリマインダー作成や写真検索などのワンタップ提案が表示されるようになる。メールではサードパーティアプリとの連携提案も強化された。カレンダーには、予定を文章で説明するだけで追加・変更できる機能が導入される。
メッセージアプリは、ユーザーの会話のコンテキストにもとづいて関連するワンタップの提案
提供時期と対応デバイス
開発者向けベータは6月8日より提供開始。パブリックベータは7月、一般ユーザー向けはiOS 27 / iPadOS 27 / macOS 27 / watchOS 27 / visionOS 27として2026年秋に提供される予定だ。
対応デバイスはiPhone 16以降、iPhone 15 Pro / Pro Max、iPad mini(A17 Pro)、M1以降を搭載したiPad、MacBook Neo(A18 Pro)、M1以降のMac、Apple Vision Pro、Apple Watch Series 9以降など。画像生成など一部機能は毎日の使用量に上限があり、iCloud+プランでより多くのアクセスが可能になる。
日本語は対応言語の一つに含まれているが、機能によっては英語のみでの提供となるものもある。Siri AIは年内に英語設定のデバイスから順次ベータ提供が始まり、多言語展開はその後となる予定だ。
「言葉で操作する」への本格転換
今回の発表で一貫しているのは、「何をしたいかを説明すればいい」という操作体験への移行だ。ショートカットの自動生成、Safari拡張機能の作成、写真編集の指示、カレンダーへの登録——いずれもテキスト入力だけで完結する設計になっている。WWDC 2024で予告された「アプリをまたいで動作するコンテキスト認識型Siri」が2026年半ばの時点でも未完成だったという指摘もあり、今回の発表がその期待に応えられるかどうかが注目される。GoogleのGeminiモデルとの連携を採用した点は技術的に大きな転換であり、Appleが自社モデルの限界を補う現実的な選択として業界から関心を集めている。










