Apple、LGとSchneiderのスマートホーム機器を発表

LGとSchneider Electricと設計したカメラやドアロックなどの新ラインナップを発表。12月に販売を始め、日本の価格や販売国は明記なし。
Appleは13日(米国時間)、LG ElectronicsおよびSchneider Electricと協力して設計したスマートホームアクセサリの新ラインナップ「Apple Home Collection」を発表した。屋内外のカメラ、ビデオドアベル、スマートロック、サーモスタット、温湿度センサーで構成される。すべての製品は12月に提供を開始し、一部のアクセサリは2027年初頭になる。
Apple Home Collectionの概要
Apple Home Collectionは、LGとSchneider Electricの製品をAppleが設計段階から協力してそろえたラインナップである。これまでもApple Home対応やMatter対応の認証により、他社製アクセサリはAppleのスマートホームに接続できた。今回はメーカーと連携して製品群全体の使い方を統一した点が異なる。
各製品はiPhoneでワンタップするだけで設定を始められ、別のアプリやアカウントは不要である。管理はホームアプリで行い、Siriでも操作できる。全製品がThreadに対応し、Wi-Fiを変更した際は製品側がネットワーク情報を自動で更新する。
Appleのハードウェアエンジニアリング担当バイスプレジデントのマシュー・コステロ氏は、信頼できるアクセサリを選びやすくし、家の管理をシンプルで信頼性が高く、プライバシーに配慮したものにすると述べた。LGのチョン・ギヒョン氏とSchneider ElectricのCEOであるオリバー・ブラム氏も、それぞれ共同開発の意義についてコメントしている。

ホームモニタリング LGのカメラ4機種
LGのカメラは4機種で、Apple HomeView、HomePod、HomePod mini、Apple TV 4Kなどのホームハブと組み合わせて使う。いずれも最大2.5K解像度で撮影し、人物、登録した人の顔、ペット、車両、荷物を認識する。内蔵ストレージを備え、Wi-Fiが切れても撮影を続ける。
製品 | 主な特徴 | カラー |
Video Doorbell | デュアルカメラ(前面2.5K、下部フルHD)、スポットライト、チャイム内蔵。HomeView、HomePod、HomePod miniからも鳴る | エッセンスグラファイト、エッセンスシルバー |
Floodlight Cam | 動きの検出で自動点灯する適応型デュアルフラッドライト、低照度カラーナイトビジョン | エッセンスグラファイト、エッセンスシルバー |
Outdoor Cam | 低照度カラーナイトビジョン、角度調整が可能。ユーザー自身での設置を想定 | エッセンスグラファイト、エッセンスシルバー |
Indoor Cam | 自宅の確認時に自動で上下に傾き、最初の家族が帰宅すると下を向いて監視を停止。手動やホームアプリからも傾きを調整できる | エッセンスホワイト |
映像の履歴はiCloud+のプランに保存されるため、カメラ用の別サブスクリプションは不要である。ライブ映像は、iPhone、iPad、Mac、Apple TV 4K、HomeViewのホームアプリから短いスナップショットで確認できる。




家へのアクセス スマートロックとドアベルの連携
LGのSmart Deadbolt Lockは、超広帯域(UWB)技術でユーザーとの距離や接近を判断する。iPhoneまたはApple Watchに家の鍵を登録していれば、ドアに近づくだけで解錠される。タップによる解錠、PINパッド、バックアップ用のキースロットも使える。
ドアの開閉や細工を検知し、施錠中にドアが開いている場合は通知する。ホームアプリからゲスト用のアクセスも共有できる。Matterに対応し、業界標準のAliroをサポートする。完全にローカルで動作するため、中核となる解錠機能はインターネット接続がなくても使える。
ビデオドアベルと組み合わせると、来訪者を確認したうえで同じ画面またはSiriから解錠できる。来訪時はホームハブのチャイムとApple製デバイスへの通知で知らせ、外出先からの応対や解錠にも対応する。
家の空調 サーモスタットとセンサー
サーモスタットは、LGとSchneider Electricから1機種ずつ用意される。ホームアプリの適応型温度調節は、iPhone上の処理で在宅、就寝、外出を判断し、スケジュールを手動で設定しなくても温度を自動調整する。
製品 | 主な特徴 | カラー |
LG Smart Thermostat | Matter対応、幅広いHVACシステムに対応、機器上の配線検出で設置しやすい | エッセンスホワイト |
Schneider Home Smart Thermostat | 同上 | シルバー、ホワイト |
LG Temperature Sensor | Matter対応の単体の温湿度センサー | エッセンスホワイト |
Schneider Home Room Sensor | 同上 | ホワイト |
サーモスタットは、これらの単体センサーや、HomeView、HomePod、HomePod miniに内蔵されたセンサーで複数の部屋の室温を測れる。米国本土では、対応する電力プランの利用者向けに、より料金が低くクリーンな時間帯へ冷暖房を移すガイダンスも提供される。ホームアプリには、ピーク時とオフピーク時の料金など、長期的な使用状況も表示される。
プライバシーとiCloud+
ホームアプリ内のカメラ映像と個人データはエンドツーエンドで暗号化され、LG、Schneider Electric、Appleは閲覧できない。映像は、ユーザーのApple Homeハブまたはプライベートクラウドコンピューティング上で処理される。iCloud+利用者は、暗号化された10日分のイベントビデオ履歴をiCloudに保存できる。
対象のiCloud+プランでは、Apple Intelligenceによる映像の自動説明と、自然な言葉での検索も使える。対応カメラ台数はプランで異なり、50GBが1台、200GBが最大5台、2TBが無制限である。
価格と販売 日本での展開
Apple Home Collectionは12月に、Apple Storeアプリ、Apple Store直営店、オンラインストアで販売を始める。日本向けの発表資料では販売先としてapple.com/jp/storeが記載されている。ただし、製品ごとの販売国に日本は含まれておらず、日本円の価格も示されていない。日本での発売時期と価格は、現時点で確認できない。
製品 | 価格(米国) | 販売国 |
LG Video Doorbell Wired | 249.95ドルから | 米国、カナダ、英国 |
LG Floodlight Cam | 399.95ドルから | 米国、カナダ、英国 |
LG Outdoor Cam Plug-In | 299.95ドルから | 米国、カナダ、英国 |
LG Indoor Cam Plug-In | 199.95ドルから | 米国、カナダ、英国 |
LG Smart Deadbolt Lock | 349.95ドルから | 米国、カナダ |
LG Smart Thermostat | 199.95ドルから | 米国、カナダ |
LG Temperature Sensor | 39.95ドルから | 米国、カナダ |
Schneider Home Smart Thermostat | 199.95ドルから | 米国、カナダ |
Schneider Home Room Sensor | 39.95ドルから | 米国、カナダ |
サーモスタットの取り付け用アクセサリは別売で、LG C-Wire Power Adapterが24.95ドルから、Schneider Home Trim Plateが14.95ドルから、Schneider Home C-Wire Power Adapterが24.95ドルから。どの製品が2027年初頭の提供になるかは明らかにされていない。
利用にはNFCペアリング用に最新OSのiPhoneが必要で、機能によってはHomeView、HomePod、Apple TVなどのホームハブも必要になる。Apple Store直営店では、ADTによる他社設置を追加料金で提供し、米国で今週から利用できる。なお、iOSのSiri AIがEU域内で提供されていないため、Apple HomeViewはEU域内で販売されない。
Appleが設計に関わるスマートホーム機器の意味
Appleは従来、認証プログラムを通じて他社のスマートホーム機器をエコシステムに取り込んできた。今回は、設計と体験の統一にAppleが直接関わる形へ踏み込んだ。設定の手順、映像の保存と検索、暗号化の扱いまで一貫させることで、機器ごとにアプリやアカウントが分かれる状況の解消を狙う。映像履歴がiCloud+に紐づくため、サービス収益との結びつきも強まる。
パートナーの選定にも特徴がある。LGは家電とMatter機器の実績があり、Schneider Electricは空調分野に強みを持つ。Schneider Electricは、スマートホーム機器メーカーのShelly Groupの買収も進めており、スマートホーム事業を拡大する動きの中でAppleとの協業が位置づけられる。LG製品は当初2027年初頭とみられていたが、今回は12月の提供開始が示された。
日本市場への影響は、現時点では判断が難しい。発表資料に日本の販売国や価格がなく、日本での展開は未定である。サーモスタットは米国式のHVACや配線を前提としており、ビデオドアベルやロックも住宅の仕様に左右される。日本の住宅にそのまま設置できるかは別途確認が必要になる。HomePodも2018年に米国などで発売された後、日本での発売は2019年8月だった。日本での発売判断と、国内の住宅事情への適合が今後の注目点になる。





