楽天、エージェント型AI「Rakuten AI」を正式公開─楽天経済圏を横断する“次世代アシスタント”
- 桜井 未来
- 8月1日
- 読了時間: 2分

楽天Linkと専用ウェブアプリで音声・画像・チャットで対話可能、秋には楽天市場との連携も。
楽天グループと楽天モバイルは7月30日、エージェント型AI「Rakuten AI」の正式提供を開始した。楽天モバイルの通話アプリ「Rakuten Link」にAIを組み込み、専用のウェブアプリも同時に公開した。楽天IDを保有するユーザーであれば、無料で利用できる。「Rakuten AI」は、楽天が保有する3兆件を超える行動データと連携し、ユーザーの目的達成を支援するエージェント型AIである。これまで試験提供されていた「Rakuten AIアシスタント」を刷新し、音声入力や画像解析機能を備えた新バージョンとして提供される。
Rakuten Linkに統合されたAIは、チャット形式での対話が可能だ。たとえば「今週末のおすすめ映画は?」と話しかけると、AIが楽天TVや提携サービスの作品から選んで提案してくれる。また、飲食店や観光地の写真を送ると、その場所に関するレビューや予約リンクを返すといった画像検索にも対応している。さらに音声操作にも対応しており、「近くのカフェを探して」と話しかければ、楽天トラベルやGoogle Mapsと連携して地図を表示し、ナビゲーションにもつなげることができる。

「Rakuten AI」は、ウェブページからもベータ版が利用でき、AIチャット、翻訳、リーディング支援、コード生成、画像生成などの多彩な機能を備えている。ログインなしでも一部機能を試すことは可能だが、楽天IDでログインすればすべての機能を制限なく利用できる。今後は、アクセス制限や機能の強化が段階的に実施される予定。

「Rakuten AI」は、2025年秋には楽天市場にも導入される見込みだ。たとえば「友達の誕生日に3,000円以内で買えるプレゼントを探して」といった曖昧なリクエストにも対応し、予算・好み・購入履歴などをもとに、AIが最適な商品を提案する。これにより、従来の検索では得られなかった“気の利いた提案”が可能になる。楽天グループは今後、AIを活用したグループ横断型のエージェント型エコシステムの構築を進め、金融・物流・通信・エンタメなど各分野において、ユーザー体験の最適化を図る方針だ。
参照サイト
楽天グループ株式会社 楽天モバイル株式会社 プレスリリース
楽天がエージェント型AIツール「Rakuten AI」の本格提供を開始し、楽天モバイルの「Rakuten Link」に搭載