AppleがAI戦略を大幅転換、Google提携と経営層刷新で「次世代Siri」開発へ
- 藤崎 翔太

- 1 日前
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Appleは自社AIの不振を受け、Googleとの提携や経営体制の刷新を断行。新型Mac投入と後継者候補の起用で立て直しを急ぐ。
AI開発の岐路に立つApple
Bloombergのマーク・ガーマン記者によると、AppleのAI戦略が大きな転換点を迎えているという。2025年6月に報じられた「Apple Intelligence」の立ち上げ失敗と新型Siriの遅延を受け、同社は自社製モデルへの固執を捨て、外部パートナーシップの強化へと舵を切った。ソフトウェア部門を率いるクレイグ・フェデリギ氏ら経営陣は、Googleをはじめとする第三者プロバイダーの技術を深く取り入れることで、遅れを取り戻す算段だ。
組織再編と「2つのSiri」
今回の戦略転換に伴い、Apple内部では大規模な組織再編が進行中だ。特筆すべきは、Siriのロードマップが2つのバージョンに分かれた点である。現行機能の改善版と、生成AIをフル活用した完全刷新版が並行して開発されており、これまでの「停滞」を払拭する狙いがある。また、この動きは自社AI開発チームに衝撃を与えており、今後の人員配置や開発優先順位にも大きな影響を及ぼすと見られる。
次期CEO候補ジョン・ターナス氏の台頭
ハードウェア面では、2026年モデルのMac投入に向けた準備が本格化している。その中心にいるのが、次期CEO候補として有力視されているジョン・ターナス氏だ。ターナス氏は今回、従来のハードウェアエンジニアリングに加え「デザイン部門」の統括も任されることとなった。これは、Appleの象徴である「デザインと技術の融合」を彼が一手に担うことを意味しており、ティム・クック体制後のリーダーシップを確固たるものにする象徴的な人事と言える。
「自前主義」の終焉が意味するAppleの焦りと現実路線
今回の動向から透けて見えるのは、Appleが長年守り続けてきた「自前主義」の限界だ。AI分野でのスピード感は、これまでの同社の開発サイクルを遥かに上回っており、プライドを捨ててでもGoogleと手を組まざるを得ない現状は、危機感の裏返しと言える。
一方で、ジョン・ターナス氏にデザインとハードの両輪を託したことは、ジョナサン・アイブ氏去りし後の「迷走」に終止符を打つ期待を抱かせる。AIという「ソフト」の弱点を外部連携で補いつつ、強みである「ハードとデザイン」を次世代リーダーに集約させるこの布陣が、Appleを再び革新の旗手に戻せるかどうかの正念場になるだろう。
(Source:Bloomberg Power On)


