グッチ親会社ケリング、Googleとラグジュアリー・スマートグラスを開発へ――2027年以降の発売目指す
- 藤崎 翔太

- 4月17日
- 読了時間: 3分

仏高級品大手ケリングのCEOが投資家向け説明会で、Google製AIスマートグラスを2027年をめどに発売すると表明した。同社は収益改善に向けた経営刷新策の一環として眼鏡・宝飾部門の拡大を掲げている。
投資家向け説明会でCEOが表明
仏高級品大手ケリングのCEO、ルカ・デ・メオ氏は4月16日、グッチの発祥地フィレンツェで投資家・アナリスト向けに3時間以上にわたる戦略説明会を開催した。 同氏は経営の立て直しに向け、利益率倍増をはじめとする包括的な改革方針を発表した。
GoogleとのAIスマートグラス開発
ケリングのアイウェア部門は、カルティエなどリシュモン傘下ブランドの眼鏡も手掛けており、デ・メオ氏は同部門がテクノロジー大手Googleと連携し、ラグジュアリー・スマートグラスを開発すると表明した。これは以前から予告されていた計画の確認にあたる。
ケリング・アイウェアとGoogleの提携は、AI搭載のAndroid XRプラットフォームを活用したスマートグラスの共同開発を目的としたもので、高度なデザイン設計・AI機能・ユーザー体験を一体化したデバイスの実現を目指している。
このスマートグラスにはマルチモーダルAI機能が搭載される予定で、度あり・度なし両対応のレンズが用意される。
グッチ再建と経営改革
グッチは昨年のケリング全体の利益のうち約60%を占めていたが、2023年以降は消費者の嗜好変化により業績が低迷している。デ・メオ氏は「事業の構造的なバランスが崩れている」と述べ、グッチ、ひいてはグループ全体がファッションサイクルの変動に過度に依存してきたと指摘した。
デ・メオ氏は営業利益率を現状の11.1%から中期的に倍増させる方針を掲げるとともに、2030年までに高収益な革製品の売上比率を現在の2倍以上に引き上げ、10億ユーロの追加売上を目指すとした。また、12ヶ月以内に在庫を10億ユーロ削減するとも発表した。
発売時期について
CEOは今回の説明会で、スマートグラスを「来年(2027年)」をめどに発売したい考えを示した。どのブランドから先行発売するかなど、具体的な詳細はまだ公表されていない。
ファッションとテクノロジーの融合が試される局面
今回の発表が注目されるのは、単なる新製品の話にとどまらないからだ。ケリングはグッチ依存の体質を脱し、アイウェアや宝飾といった収益基盤を多角化しようとしている。Ray-BanとMetaの提携がすでに先行する中、ケリングとGoogleはラグジュアリー志向のAndroid XR端末という独自の切り口で市場参入を図っており、スマートグラスをファッションアイテムとして成立させられるかが問われることになる。ただし、中東情勢の緊迫化や金利上昇による消費者心理の悪化といったマクロ環境の逆風も重なっており、経営再建の行方は楽観視できない状況だ。 スマートグラス事業の成否は、ケリングの構造改革が本物かどうかを測る一つの試金石になりそうだ。
(Source:Reuters)




